テザーは2024年第3四半期に3,600万人超の新規ユーザーを獲得
テザー(Tether/USDT)の増加は、2024年第3四半期に過去最高を記録し、過去12カ月間で平均9%増加し、3,600万人超の新規ユーザーを獲得した事がわかった。
テザーは、2024年第3四半期に3,625万人の新しいオンチェーンUSDTウォレットとユーザーが最大の仮想通貨ステーブルコインに関与し、同社にとって四半期最高を記録した事を報告。前四半期の流入は、オンチェーンアカウントのUSDTウォレット数の過去最高を記録しており、3億以上のアドレスがUSDTを受け取っており、これは米国の全人口にほぼ匹敵する。
市場最大のステーブルコインとして、バイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain/BSC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、トロン(Tron/TRON)など、いくつかのL1(レイヤー1)ブロックチェーンがUSDTをサポート。テザーは、イーサリアムベースのL2スケーリングネットワークが第3四半期のUSDTユーザーの増加に最も貢献したと指摘している。さらに、オプティミズム(Optimism/OP)、アービトラム(Arbitrum/ARB)、ポリゴン(Polygon/POL)は、過去1年間で最も多くのUSDTユーザーを獲得しており、アバランチ(Avalanche/AVAX)とソラナ(Solana/SOL)は、テザーアカウントの拡大に貢献したとのことだ。
同社は、テレグラム(Telegram)のトンコイン(The Open Network/TON)も、4月にTONでUSDTが稼働して以来「爆発的な成長」を見せているという。同社の経済責任者であるフィリップ・グラッドウェル(Philip Gradwell)氏によると、TONは6カ月で330万人のユーザーを追加された事をあかしたうえで、次のように語っている。
USDTは大幅に採用されており、2024年第3四半期末までに、ユーザーの代理となるオンチェーンウォレットとアカウントが3億3,000万件に達し、USDT を受け取ったことがある人は米国の人口に相当します。
USDTのオフチェーン取引は考慮されていない
調査レポートでは、USDTユーザーを決定する際に、ブロックチェーンネットワーク経由でUSDTを送金する人のみに焦点を当てており、中央集権型取引所を通じたUSDTのオフチェーン取引は考慮されていない。
同氏は、オフチェーンアカウントを追加することで、USDTを使用している人の数をより明確に把握でき、その数は数千万人増加する可能性があると予想していることを認めている。それでも、膨大な数と成長軌道は、USDTが世界的な取引でいかに重要であるかを示しており、同社のパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)もこれを認めており、次のように述べている。
USDtは新興市場や発展途上国にとってデジタルドルになっています。数字はうそをつきません。
USDTビジネスが新たな高みに達したことで、このデジタル決済サービス プロバイダーは投資部門を通じて他の事業にも視野を広げており、同社は、記録的な利益から得た数十億ドルを従来の金融および商品取引会社に貸し出すことを検討しているとのことだ。