米政府発表:ビットフィネックスが2016年のハッキングの「唯一の被害者」になる可能性

ビットフィネックスが2016年のハッキングの「唯一の被害者」になる可能性

2016年のハッキングでビットフィネックス(Bitfinex)のみが唯一の被害者として返還を受ける可能性が米国政府による裁判所への提出文書で明らかになった。

米国政府の提出書類によると、同社が、約12万ビットコイン(Bitcoin/BTC)の盗難をもたらした2016年のハッキング事件に関する返還の対象となる唯一の被害者である可能性を確認したとのことだ。同社はハッキングによる損失を社会化し、8カ月以内に顧客に弁済したが、潜在的な被害者はまだ名乗り出せるとのこと。

日本語訳:
もしあなたがBitfinexのハッキングの被害者であり、Bitfinexがあなたのビットコインと引き換えに偽の紙幣を渡して、Bitfinexがあなたのビットコインから利益を得ることを望まないのであれば、連邦政府に連絡すべきです。
Bitfinexハッキングの実際の被害者は個人顧客です。
Bitfinexは顧客の資金を盗み、空から印刷したTether詐欺のドルを使って返済しました。

しかし、ハッカーであるイリヤ・リキテンシュタイン(Ilya Lichtenstein)容疑者とその妻ヘザー・モーガン(Heather Morgan)容疑者に対する裁判の提出書類によると、米国政府は他に該当する当事者はいないという。同社はハッキングによる損失を顧客ベースに分散し、彼ら自身に弁済。政府はその努力に満足したようだが、さらなる措置を取ることが期待されているまた、犯罪被害者の権利法は、被害者に完全かつタイムリーな損害賠償の権利などを認めており、被害者返還義務法は、犯罪の加害者に被害者の損失と関連費用の弁済を義務付けている。

ビットフィネックスによる損失カバー

2016年8月のハッキング後、ビットフィネックスは全顧客の口座約36%減らし、顧客の損失をカバーするために新しいトークンであるBFXを発行することで損失をカバーしている。

Bitfinex(ビットフィネックス)|2016年にハッキングされたビットコインが戻ってきた

2019.02.26

BFX保有者はトークンを市場で売却するか、1トークンあたり1ドルの固定レートで同社に売却ができ、認定投資家にはその他のオプションもあった。その他の選択肢として、BFXと引き換えにiFinex株を受け取ることを選択した顧客は、資金が回収された場合に1ドルで換金できるRecovery Right Tokensと呼ばれる新しいトークンを受け取れ、約3000万RRTが発行されている。

提出書類によると、iFinexは資金を回収した場合、これらのトークンを償還することに同意している。ビットフィネックスが口座保有者を救済する措置をとったにもかかわらず、政府は「このハッキングの結果、2016年に価値を失ったVCE(ビットフィネックス)の口座保有者は潜在的に数千人いる」と主張。その証拠に政府は、この事件の被害者であると感じる人々が情報を受け取り、自己申告できるウェブサイトの作成を提案している。

2022年2月にDOJ(米国司法省)は、イリヤ・リキテンシュタインとヘザー・モーガンの逮捕を命じ、36億ドル(現在レートで約5371.4億円)相当の仮想通貨を押収。彼らは後に司法取引で有罪を認めている。

ハッキング当時、ビットフィネックスから奪われたビットコインは7,200万ドル(約107億円)の価値があったが、現在これらのコインは75億ドル(約1.1兆円)の価値へ膨れ上がっている。