イーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏のOpenAIに対する訴訟を再開

イーロン・マスク氏がOpenAIとその共同創業者を再び訴える

カリフォルニア州の米国連邦裁判所に提出された8月5日の訴状によると、イーロン・マスク(Elon Musk)氏は、サム・アルトマン(Sam Altman)氏が率いるChatGPT作成者のOpenAIが設立契約に違反し、商業化を優先したことを理由に訴訟を再開した事がわかった。

マスク氏は、アルトマン氏に対して新たな訴訟を起こし、6月に訴訟を取り下げたように見えた訴訟であったが、法廷闘争を再燃させた。両者の確執は6年前にマイクロソフトとの提携で始まっており、今回訴訟再開したことで新たな展開に突入した。最新報道によると、マスク氏は、同社の設立契約違反を理由に、同社とその共同創設者アルトマン氏とグレッグ・ブロックマン(Greg Brockman)氏を再び訴えている

マスク対アルトマン

この新たな訴訟は、同社が公共の利益よりも商業的利益を優先することで設立契約を破棄したと主張していることが背景にある。

マスク氏による最新の訴訟は、以前、同じ理由で起こした訴訟の続編となるが、前回の訴訟ではその後、取り下げられている。マスク氏は2015年、アルトマン氏とグレッグ氏とともにOpenAIを共同設立し、公共の利益の向上を目的としたAI開発を目指した。しかしマスク氏は、AI企業とマイクロソフトとの数十億ドル規模の提携は当初の設立契約に違反していると主張している。マスク氏は以前、合理的な説明をせずに最初の訴訟を取り下げている。しかし、今回の訴訟は、マスク氏が“アルトマン氏とその共犯者に裏切られた”と主張し、同社が商業的利益を優先していることを指摘している。

また、訴訟では、アルトマン氏とグレッグ氏が会社をオープンソース化するという約束を守らず、マイクロソフトに独占ライセンスを提供したと主張。連邦裁判所に提出されたこの訴訟では、共同設立者が協力してOpenAIを創設する際に、テスラのCEOを故意に欺いたとも主張。マスク氏が2018年、OpenAIの取締役会を辞任し、その後同社に対して2件の訴訟を起こしている。