ロンドンに本拠地とした、世界最大級のコンサルティンググループ「PwC(プライスウォーターハウスクーパース)」のスイス支社は、多くのデジタル資産の中でも「仮想通貨は最も上手く機能している」と、同社ブログで述べた。
7月31日、PwCスイスのシニアマネージャーで分析専門のRoland Stadlerは、仮想通貨は一見すべて同じに見えるが、細かな点で見ると違いがあると発言している。
Stadler氏は「仮想通貨」と「通常の通貨」とは分けて考えており、仮想通貨は大きく3つに分けられるとしている。
現在845,877円/BTCの価格で値動きをしている時価総額1位の仮想通貨であり、送金にかかる手数料0.001BTC(約845円)で送金可能な通貨「ビットコイン」。
サービスにアクセスしたりソフトウェアまたはサービスを使用するための「燃料」としてしようされるトークンである「ユーティリティトークン」。
そしてICO(イニシャルコインオファリング)実施の際に「証券」としての価値のあるトークンである「セキュリティトークン」の3つに分けられていると考えられるとのことだ。
またStadler氏は、ユーティリティトークンとセキュリティトークンへの投資は、現段階ではスタートアップへの投資と考えるべきで、非常にリスクが高いと見ている。
ビットコインに関しては「支払手段として非常に上手く機能しており、特定の国家の状態に依存しない新しい通貨だ」との見解を示したが、市場の小ささやボラティリティの高さなどのデメリットで、ビットコインのメリットは相殺されているという。
さらに現在業界に蔓延している「ICOの誇大宣伝」に対し警鐘を鳴らしており、以下のように述べた。
現在のICOの誇大宣伝からは離れたほうがいいです。そのほとんどが詐欺であり、真っ当なプロジェクトであっても、市場が簡単に操作できるほど小さいのです。
未成熟の市場で、金を世界中から簡単に集められるスキームが出来上がってしまったので、ICOには注意したほうがいいですね。
ICOも素晴らしいシステムなだけに、システムの設計をもう少し考える必要がありますね。今の所、新しくできているのが、投資側への制限です。
誰でも投資できるわけではなく、条件にあった人だけが投資をできるというICOが出始めてきています。こういう取り組みは素晴らしいと思います。
世界中に素晴らしいアイデアと技術を持った人達がたくさんいて、そこにお金がしっかり流れていいものが世の中に溢れてくると仮想通貨の本当の実力が出てくるのではないかなと思っています。