イタリアが新仮想通貨法令で仮想通貨リスク監視強化へ

イタリアが新仮想通貨法令で仮想通貨リスク監視を強化

今週承認されるイタリアの法令草案は、仮想通貨違反に対して最高500万ユーロ(約8.5億円)の罰金を課し、デジタル資産リスクに関する世界的な懸念に対処して行くことが分かった。

日本語訳:
イタリア、仮想通貨リスク監視を強化し制裁を強化、草案で明らかに

この動きは、EU(欧州連合)の仮想通貨規制の広範な推進と足並みを揃え、操作を抑制し、市場の安定性と監視を強化することを目指し、イタリア中央銀行(Banca d’Italia)とConsob(Commissione Nazionale per le Societa e la Borsa:イタリア国家証券委員会)を主要な仮想通貨規制当局に指定している。

ロイターの報道によると、この法令案は仮想通貨の不正行為に対してゼロトレランス(※Zero tolerance:小さな悪事も含め、法律違反者を毅然たる対応で厳しく罰すること)の姿勢をとっている。法案によると、これらの犯罪(インサイダー取引、市場操作、機密情報の違法開示)で有罪判決を受けた個人に対し、5,000ユーロ(約85万円)から500万ユーロの巨額の罰金を科される可能性がある。この財政的打撃は、投資家を保護し、公正で安定した仮想通貨エコシステムを促進するというイタリアの取り組みを示している。

イタリア中央銀行とConsobが協力

この法令は、仮想通貨活動の監督責任を、イタリア銀行とConsob 2つの主要プレーヤーに割り当てており、二本柱によるアプローチは、金融の安定維持、秩序ある市場機能の確保という2大目的の達成を目的としている。

イタリア銀行の金融問題に関する専門知識は、システミックリスク(※1)の防止に不可欠であり、Consobの従来型市場の規制に関する経験は、仮想通貨特有の課題に取り組む上で非常に貴重だ。

(※)システミックリスクとは…
個別の金融機関の支払不能等や、特定の市場または決済システム等の機能不全が、他の金融機関、他の市場、または金融システム全体に波及するリスクの事
(引用元:日本銀行

仮想通貨サービスプロバイダーへの信頼の証

今新法令は、2022年1月に施行された既存の規制に基づいている。

MEF(イタリア経済財務省)は、同国内で活動する国内外のすべての仮想通貨サービスプロバイダーがOAM(Organismo Agenti e Mediatori:エージェントとメディエーターの組織)に登録することを義務付けている。この監督機関は、金融活動と信用仲介業務の監督を担当し、ゲートキーパーとして機能し、評判の良いプロバイダーのみがイタリアの顧客にサービスを提供できるようにしていくという。なお、OAM 登録には 2 つの目的があり、登録プロバイダーに関する情報を容易に入手できるようにすることで透明性を促進。次に、AML(マネーロンダリング[資金洗浄]防止)コンプライアンスを強化し、イタリアの仮想通貨市場における違法行為のリスクを軽減する事である。

新しい法令の長期的な影響は現時点ではまだわからないものの、イタリアが仮想通貨分野の規制に積極的に取り組んでいることは明らかだ。監視強化、高額罰金、登録サービスプロバイダーへの重点は、イタリアの仮想通貨市場が無制限の投機よりも安定性とセキュリティを優先する未来を示唆。政府が罰金を重視していることは、人々が規則に従うようにすることへの政府の献身を示しており、中央銀行とConsobを監督機関に指定したことは、包括的な規制に向けた一歩お言える。