DOJ米国司法省はバイナンスとの法律事務所論争後に新たな監視機関を選出

米国司法省がバイナンスの新たな監視機関を選出

DOJ(米国司法省)はバイナンス・ホールディングス社のコンプライアンスの取り組みを監視するため、FRA(フォレンジック・リスク・アライアンス)を選択し、Sullivan & Cromwell(サリバン・アンド・クロムウェル)の側に立ったことが分かった。

この決定は、Sullivan & CromwellのFTX破産事件への関与に由来しており、仮想通貨市場における監視力学の顕著な変化を示している。ウォール街の大手Sullivan & CromwellよりもFRAが優先的な選択肢として浮上し、DOJによる戦略的転換を示唆。FRAの選出は、全米に衝撃を与えたFTXスキャンダルにおけるSullivan & Cromwellの過去の絡みに対する懸念を反映し、DOJの警戒心を強調している。

汚職や詐欺の捜査に精通していることで知られるFRAは、43億ドル(約6,700億円)相当の罰金を含む11月の司法取引で概説された条件をバイナンスが厳格に遵守することを保証する責任を負っている。さらに、バイナンスのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)元CEO(最高経営責任者)は辞任後、合意の一環として短期間の懲役刑に服する予定だ。

FRAによるバイナンスの内部記録と人事を徹底精査へ

FRAの任務には、政府との直接報告メカニズムを確立し、バイナンスの内部記録と人事を徹底的に精査することが含まれている。

DOJの決定は、FRAの実績、特にジュネーブに本拠を置くGunvor SAとの協力など、一か八かの国際的なコンプライアンス事件の巧みな処理に根ざしている。Sullivan & Cromwellによるバイナンスの監視権獲得への入札は、FTX破産手続きへの関与により頓挫。ブルームバーグが強調したFTX破産に対する同社の対応の誤りは、バイナンスのコンプライアンスを監督するという厳しい要件を満たす同社の能力に疑問を生じさせた。

障害はあるものの、Sullivan & Cromwell両氏は、米国財務省のFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)による別の監視体制の検討に、救いの余地があると考えている。この取り組みは、これまでバイナンスが見逃していた不審な活動を特定して報告することに焦点を当て、バイナンスに規制監視下での再建の機会を提供することになる。