秋田犬保存協会がブロックチェーンを利用してデジタル血統証明書を発行

秋田犬保存会がブロックチェーンを利用したデジタル血統書を発行

秋田県大館市に拠点を置く公益社団法人秋田犬保存協会は、偽造や紙媒体の紛失に対抗するため、高い人気を誇る秋田犬の「デジタル血統書」の発行を始めたことを発表した。

近年、国際的な評価も高まっている秋田犬だが、血統書の偽造や紛失の懸念が高まる中、同協会はデジタル技術を取り入れ、技術会社と提携し、仮想通貨を支えるのと同じブロックチェーン技術を使った安全なシステムを開発したとのこと。血統書の信憑性や書類の紛失といった問題に対処するため、テクノロジー企業と協力し、ブロックチェーン技術を採用した信頼性の高いソリューションを導入することで、現代的なアプローチをとっているとのこと。

相次いでいた血統書の盗難・紛失・偽造

同協会は、海外からの会員が急増しており、その数は2022年の300人から2023年には500人近くにまで急増。このような国際的な関心の高まりは、血統証明書を安全かつ効率的に届けるという課題をもたらしている。

従来、血統証明書は紙で発行されていたため、輸送中に紛失することが多く、特に海外の受取人の場合はその傾向が強く、数年前には中国で偽造された書類も発見され、より強固なシステムの必要性が浮き彫りになった。そのため、地元IT企業であるMeta Akita Inc.と米国企業のHeirloom Inc.と提携し、同会はデジタル血統証明書を発行する画期的なシステムを開発したとのこと。

ブロックチェーンの安全性が秋田犬の血統を守る

ブロックチェーンはその安全性と透明性で知られ、すべての取引(※この場合は秋田犬の所有履歴)を追跡するデジタル台帳を作成するため、データを改ざんしようとすればすぐにわかるため、偽造リスクが排除される。

利点はセキュリティにとどまらず、デジタル証明書はスマートフォンのアプリを介して発行されるため、到着までに数週間かかることもある従来の紙の書類に比べ、飼い主の待ち時間を大幅に短縮でき、同協会の庄司祐樹理事は次のように述べている。

デジタル化による利便性に加え、飼い主が自分の愛犬が純血種であるという安心感を得られることを期待しています。

同協会のブロックチェーン技術への進出は、世界中の他の犬種団体にとっての先例となっており、グローバル化が進み、愛犬家が国境を越えてつながるようになるにつれ、安全で効率的な血統管理がますます重要になってきている。この革新的なアプローチは、秋田犬の血統の完全性を守るだけでなく、国際的な飼い主のためのプロセスを合理化することにつながり、同協会は、伝統を守る最善の方法は、時には未来を受け入れることであることを証明している。