香港・規制当局の取り締まりで店頭OTCサービスをターゲットに

香港は仮想通貨規制への取り組みを強化

香港当局は店頭(OTC:Over the counter)仮想通貨サービスに重点を置き、規制への取り組みを強化している事が分かった。

東アジアのデジタル資産交換の主要拠点であるこの都市には、OTC 仮想通貨取引を促進する約 450の店舗、ATM、ウェブサイトが存在している。これらのサービスは、市の640億ドル(約9.6兆円)におよぶデジタル資産の流れにとって極めて重要なものとなっているものの、違法取引や金融不安に対する懸念の高まりにより、政府はより厳格な規制を実施するよう促されている。

税関当局が主導する新たな規制の下、香港のOTC仮想通貨プロバイダーは厳格な顧客記録管理を遵守し、不正行為の監視を強化する必要がある。この動きは、規制された仮想通貨取引所を通じてデジタル資産取引の流れを方向付けるという広範な意図を示している。これらの取引所は、証券先物委員会の2023年半ばのガイドラインに従って、許可を確保または申請するための重要な期限である2月29日に直面。Chainalies(チェイナリシス)のAPAC(Asia-Pac=東アジア、南アジア、東南アジア、オセアニア)政策責任者のオン・チェンイー(Chengyi Ong)氏は次のように述べている。

計画されているOTCフレームワークは、仮想通貨への入り口としてのこれらのプラットフォームの使用の統合と削減につながるだろう


OTC規制協議を開始後に新たな議論を引き起こす

金融サービスと財務局もまた、マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金供与、詐欺行為を阻止するためのOTC規制に関する協議を開始しているが、税関を規制当局に任命したことで新たな議論を引き起こしている。

法律専門家のジェイソン・チャン(Jason Chan)氏は、これは断片化した規制アプローチを反映しているのではないかと懸念を表明。しかし、金融サービス局と財務局はその決定を擁護し、新しい枠組みを監督する上で関税局の豊富な経験が重要であると強調している。

OTCビジネスにとって、これらの開発は大きなハードルとなると考えられており、新たな規制により運営コストが間違いなく増加することから、OTC企業は仮想通貨ビジネスに適応するか撤退するかを決断に迫られているのが現状だ。これらの規制変更のさなか、Huobi(フォビ)は申請を取り下げており、新しい枠組みの下で仮想通貨ビジネスが直面する課題を改めて浮き彫りにしている。この規制の転換は、世界的な仮想通貨ハブとしての地位を強固にするための香港の広範な戦略の一環であり、仮想通貨規制推進により、仮想通貨市場の収益は2028年までに2億5,460万ドル(約383.4億円)に達すると予測されている。

中国の影響力増大に対する懸念のなか、香港は規制された安全な仮想通貨環境の促進に熱心に取り組んでいる。香港金融管理局の仮想通貨保管に関する最新ガイドラインでは、この取り組みがさらに強調されている。