濠太剌利の警察官が捜査中にビットコインの盗難か
オーストラリアのNACC(National Anti-Corruption Commission:国家汚職防止委員会)は、連邦警察官が麻薬捜査中にハードウェアウォレットからビットコイン(Bitcoin/BTC)を盗んだと主張していることが明らかになった。
報告によると、Trezorハードウェアウォレットが麻薬捜査中に発見され、81.62BTCと、シードフレーズ(盗難や紛失時の復元方法として機能する12~24のランダムな単語のシーケンス)を含むデバイスが発見された。この通貨の痕跡から、捜査当局は仮想通貨取引所Binanceにたどり着き、サイバー犯罪捜査班は、盗まれたコインへのアクセスに関連するIPアドレスの1つが旧AFP本部につながっていることを発見したとのこと。
しかし、ウォレットにアクセスするための裁判所の承認を得るのに約3週間かかっており、ウィリアム・ウィートリー(William Wheatley)巡査部長が家宅捜索の直後にビットコインを移動させたとみられ、ウォレットにアクセスしてもビットコインは見つからなかったとのことだ。
ビットコインにリンクしているIPアドレスを分析から判明
当初、ビットコイン消失の犯人は犯罪シンジケートの関係者ではないかと疑われていたが、盗まれたビットコインにリンクしているIPアドレスを分析する捜査により、NACCはウィートリー氏が関与している可能性に焦点を移している。
同氏は、個人的利益のために公職を利用した容疑、窃盗、犯罪収益への関与に対して無実を主張。Trezorウォレットから紛失したビットコインに関連する告発に異議を申し立てる準備をしていると伝えられている。実際、サイバー犯罪者が仮想通貨プラットフォームの脆弱性やセキュリティの抜け穴を悪用するため、仮想通貨の盗難は依然としてWeb3業界における重要な課題となっており、2022年だけでも、37億ドル(約5,548億円)相当の仮想通貨が悪質な行為者によって盗まれている。
サイバー犯罪者は、被害者の資金を盗むために、デジタル・ウォレットへのハッキングや、ユーザーを欺いて秘密鍵を開示させるなど、さまざまな手口を用いている。2023年、仮想通貨窃盗の問題は、前年に比べて20億ドル(約3,000億円)と、盗まれた資金が減少したとはいえ、依然として続いており、2022年だけでも、37億ドル以上相当の仮想通貨が悪意を持つ者によって盗まれている。