ブルガリア検察庁が証拠不足を理由にNexoへの捜査を終了

ブルガリア検察庁がNexoへの捜査を終了

ブルガリア検察庁は、不正行為や犯罪行為の証拠は見つからなかったとして、仮想通貨金融業者Nexoのマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑に対する捜査を終了した事が分かった。

ブルガリア共和国検察庁は証拠不足を理由に仮想通貨金融業者Nexo(ネクソ)に対する捜査を終了すると発表。現地メディアによると、同局は税金犯罪、マネーロンダリング、コンピューター詐欺、その他の犯罪行為の証拠は見つからなかったと主張。同社に対する捜査は、当局がNexoユーザーの違法行為に対する相当な証拠を持っていると発表した後の2023年1月、この問題が初めて明るみに出た。シイカ・ミレバ(Siika Mileva)司法長官は当時、次のように述べている。

この計画の主な主催者はブルガリア国民であり、活動は主にブルガリア領土で実施されました。このプラットフォームを使用し、仮想通貨を送金した人物がテロ資金供与者として正式に認定されたという証拠が収集されました。


発端は政治的動機に基づく告発か

当局が発表した公式声明によると、告訴取り下げ決定の主な理由は、ブルガリアでは仮想通貨と暗号資産は金融商品とはみなされず、決済サービスとシステムに関する法律の対象外であるというものであった。

仮想通貨貸し手に対する起訴は、2018年から2023年1月の間に起こった出来事に関連しており、被告のアントニ・トレンチェフ(Antoni Trenchev)氏、コスタ・カンチェフ(Kosta Kanchev)氏、カリン・メトディエフ(Kalin Metodiev)氏、トレイヤン・ノコロフ(Trayan Nokolov)氏は組織的犯罪グループに参加したと主張。Nexoの共同創設者兼マネージングパートナーであるトレンチェフ氏は、融資プラットフォームに対する告訴が取り下げられた後の講演で、この告発は政治的動機に基づくものであり、そもそもこうした告訴は起こるべきではなかったと述べたうえで、次のように述べた。

ブルガリア検察庁がNexoとその幹部らに対するすべての告訴を取り下げ、犯罪はなかったとの確認をとったことは、Nexoに対する攻撃全体が政治的であり、そもそも起こるべきではなかったことを明白に示している。これは私たちの汚名を晴らすのにも大いに役立ち、仮想通貨業界の善良な関係者全員の正当性を証明するものでもあり、私たちはこの結果に非常に満足しています。


1年にわたるばかばかしいNexoへの強制捜査

NEXTMONEYの2023年1月24日付の特集記事「Nexoは評判を傷つけたとしてブルガリア政府を訴えることを検討」でも報じているように、ブルガリア当局は2023年1月12日、マネーロンダリングと税金違反の疑いでNexoのブルガリア事務所を強制捜査している。

当時、トレンチェフ氏はその行為を“ばかばかしい”と表現しており、オフィスを強制捜査した事によって同社の評判を傷つけたとして10億ドル(約1,300億円)以上を請求する可能性があると述べていた。Nexoは当局や規制当局に協力していると述べ、すでに厳格なマネーロンダリング対策とKYC(顧客確認)規制を導入しており、不当な標的にされていると述べ、Nexo広報担当者は次のように述べている。

ご存知のとおり、ブルガリアはEU(欧州連合)で最も腐敗した国であるNexoの事務所の1つに当局がいます。彼らは、顧客対応ではなく、給与計算、顧客サポート、コンプライアンスのバックオフィス機能のみを持つグループのブルガリア法人について、AML と税務関連の問い合わせを行っています。 当社はKYC/AMLに関して最も厳格な企業の1つです。

Nexoは評判を傷つけたとしてブルガリア政府を訴えることを検討

2023.01.24