韓国の仮想通貨取引所ビッサム(Bithumb)がIPOを目指す

ビッサム(Bithumb)がIPOを目指す

韓国の著名な仮想通貨取引所であるBithumb(ビッサム)は、2025年を目処(めど)にIPO(Initial Public Offering:新規株式公開)での上場を考えていることが現地メディアの報道によって明らかになった。

現地ニュースメディアEdailyによると、同取引所は2025年までにIPOを目指す可能性があるという。ジャーナリストのユ・ギョンリム(Yoo Kyung Lim)氏は、同取引所のIPO戦略の可能性について、Upbit(アップビット)の市場支配力を超えるための野心的な取り組みと見られると指摘している。また、インサイダー情報によると、ビッサムは韓国証券市場KOSDAQ(コスダック)でのデビューを検討。将来的にはKOSPI (※1)のプラットフォームに移行する可能性があるとのことだ。

(※1)KOSPIとは…
KOrea composite Stock Price Index:韓国総合株価指数と言い、韓国証券取引所に上場された銘柄のうち、メインボードの全上場銘柄を対象と下株価指数の事。

この戦略は、Bithumbが韓国の仮想通貨取引所市場で主導的な地位を回復するために重要であると考えられており、信頼中心のアプローチする可能性が高いとのこと。

新時代を切り開くための歯車が動き出す

アップビットは現在、韓国の仮想通貨取引市場で85%のシェアを占めており、ブリーフィングでは、イ・ジェウォン(Jaewon Lee)氏がBithumb取締役会の主要株主として戻り、同社のガバナンスを強化することに焦点を当てている。

事情に近い情報筋によると、同取引所は、サムスン証券をファンドマネジャーに任命し、すでにIPOの準備を進めているとみられ、同取引所はコスダック上場を目指しているが、Edailyに対し、これらの動きについてコメントを控えているとのこと。

一方で、第2四半期決算によると、Bithumbは4,000億ウォン(約456.5億円)相当の資産を保有しており、前代表取締役であるイ・サンジュン(Sangjun Lee)氏が更迭されたことも報じられている。Bithumbは2023年11月12日の過去24時間に6億5,858万ドル(約999億円)のスポット取引量を記録したのに対し、Upbitは39億8,000万ドル(約6038.5億円)と6倍の取引量を記録。上場戦略の一環として、Bithumbは事業の見直しを進めているという。

同レポートは、BithumbのIPOが国内における先例となり、ジェウォン氏がIPOを成功させるために影響力を拡大し、社内合理化の陣頭指揮を執る構えであると結論づけている。

Bithumb KoreaとBithumb HoldingsのCEOであるジェウォン氏は、前会長の指導の下、IPOに向けて舵を切る構えを明らかにしており、注目が集まっている。IPOの詳細に関するBithumbの沈黙は、戦略的な裁量を反映している可能性が高く、引受証券の確認は、取引所の新時代を切り開くための歯車が動き出したことを示唆している。