台湾当局が巨額仮想通貨マネーロンダリングネットワークを解明

台湾当局が巨額仮想通貨マネーロンダリングネットワークを解明

台湾当局は、3億2,000万ドル(約481.5億円)以上のテザー(Tether/USDT)取引を処理する、最大規模のマネーロンダリング(資金洗浄)ネットワークを摘発したことが明らかになった。

日本語訳:
USDT 320,000,000を洗浄する計画が台湾で発覚
香港、フィリピン、マレーシアの複数の犯罪グループが、大新証券の証券アプリを通じ、殺人や詐欺、資金窃盗…

台湾当局は、デジタル資産を通じて過去最高額の3億2,000万ドルを洗浄した疑いのある個人を逮捕し、同国史上最大の仮想通貨関連のマネーロンダリング事件となった。仮想通貨がマネーロンダリングに多用されていると主張する向きもあるが、実際は悪質業者にとって、ブロックチェーンは資金のトレーサビリティを提供し、当局が仮想通貨を不正な目的で使用している犯罪者を追跡するのに役立っているという。

中国メディアUDNの報道によると、台湾当局は昨年(2022年)からモバイルソフトウェア詐欺事件を捜査しており、彼らは、40歳の商人である邱(キュウ:Qiu)氏がこの事件の犯人のマネーロンダリングを促進していたことを発見したとのことだ。邱は各取引で1%の手数料を徴収することで利益を得ていたと考えられており、証拠収集の結果、警察は6月13日、台湾の桃園空港から帰国中の邱を逮捕したとのことだ。また、邱がマレーシアやフィリピンを含む東南アジア諸国を頻繁に訪れていたことから、ギャンブルや詐欺ネットワークとのつながりが疑われている。

別捜査で浮上したマネーロンダリングネットワーク

この事件の発端は、昨年開始された不正証券取引アプリケーションを中心とした捜査にあり、当局が金融取引を追跡するうちに、邱氏がこの作戦に参加していた疑いが浮上した。

当局は邱の携帯電話から、彼が2022年2月以降に3億2、000万ドル以上のUSDT取引を処理していたことを突き止めている。台湾警察は邱から現金21万元(約430万円)、ノートパソコン、デビットカード、通帳、薬物を押収したほか、3つのオーデマ・ピゲ(高級時計)やランボルギーニ・ウルスとレクサスLMといった高級車など、豪華な品々も押収している。

法執行機関の報告によると、邱は多数の口座を通じて資金を流し、米ドルにペッグされた仮想通貨であるUSDTに変換し、その後、デジタル資産を売却し、資金の出所を隠す目的で現金に戻したとみられている。また、警察は邱容疑者の他に、リャオ(Liao)容疑者、チェン(Chen)容疑者、ファン(Huang)容疑者の3人がマネーロンダリングに関与したとみられている。

マネーロンダリング助長は仮想通貨かブロックチェーン上のトレサビリティか

仮想通貨がマネーロンダリングを助長していると非難する声もあるが、ブロックチェーン上のトレーサビリティにより、当局は何度も資産を押収している。

台湾は、他のアジアの司法当局とともに、仮想通貨に関するマネーロンダリング防止規制を強化しており、今回の事件は、香港で観察された最近の傾向と一致し、こうした規制の取り組みをさらに動機付けるものと予想される。

2022年7月、台湾の金融監督委員会は銀行セクターに対し、デジタル資産のクレジットカードによる購入を禁止し、そのような資産の不安定で投機的な性質を強調する指令を出しており、規制当局は、クレジットカードはギャンブル、株式、デリバティブとは無関係の取引に限定すべきであると強調したとのことだ。