フランスの規制当局AMFは6つの主要分野に焦点を当ててMiCAルールを修正

フランス規制当局がMiCAルールを修正へ

フランスの金融市場規制当局であるAMF(Autorité des marchés financiers:金融市場当局)は、欧州連合のMiCA(仮想通貨市場)制度に準拠するため、現地の仮想通貨規制の変更を発表したことが分かった。

2023年8月10日(木曜日)付け公式ブログの中でAMFは、DASP(デジタルアセットサービスプロバイダー)向けの“強化された”登録フレームワークの導入と、ローカルDASPライセンス要件の変更を発表。AMFによると、フランスでライセンス取得を目指すデジタル資産サービスプロバイダーは、「適切なセキュリティおよび内部管理システム、利益相反を管理するシステム、明確で正確かつ誤解を招くことのない情報」など、幅広い要件について評価される予定とのことだ。

この「強化された」登録枠組みは、2024年1月1日から発効する予定という。また、フランスで規制対象のサービスを提供しようとする新規企業には登録が義務付けられる。AMFはさらに、今回の改正により、同国ですでに承認を得て事業を展開しているデジタル資産サービスプロバイダーの承認に向けた「ファストトラック手続き」の導入が容易になると指摘したうえで次のように述べている。

2024年1月1日より前に簡易登録を取得したDASPは「祖父」条項の恩恵を受け、引き続きこの日より前に適用される枠組みの対象となります。

2023年7月、金融市場庁はソシエテ・ジェネラル銀行(Societe Generale Bank)の暗号部門に初のライセンスを付与。一方、バイナンス(Binance)、ビットスタンプ(Bitstamp)、ヘックストラスト(Hex Trust)などのデジタル資産サービスプロバイダーは規制当局にのみ登録されている。

フランスはMiCA体制への移行を継続

MiCAは、EU(欧州連合)圏内の仮想通貨シーンを規制するため、EU議会によって承認されたデジタル資産に関する包括的な規則である。

フランスを含むEU加盟国は、デジタル資産や欧州市場での事業運営を目指す企業に対するこうした新たな規制の導入を検討している。AMFは最新ブログの中で、強化された登録枠組みがMiCA制度への準備の一環であることを認め、声明の中で次のように述べている。

2024年1月1日から適用されるこれらの変更は、認可されたDASPに関連する規定を調整することにより、仮想通貨市場に関するMiCAへの移行を先取りすることも目的としています。


新ライセンス制度には6つの主要分野の概要を示している

AMFが2024年1月1日から発効すると主張する新ライセンス制度は、変更が加えられる6つの主要分野の概要を示しており、概要を示した領域には以下が含まれている。

・セキュリティと内部管理システム。
・利益相反の管理。
・一般向けの企業コミュニケーション。
・公開価格ポリシー。
・顧客の預金の分離。
・顧客の資金を同意なく使用することに対する制限。

改善されたライセンス制度は、2024年の施行日以降に登録を求める企業にのみ適用されることは注目に値する。フランスはヨーロッパ有数の経済大国の一つであり、MiCAに合わせて登録ガイドラインを修正する同国の迅速な動きは、MiCAライセンス取得を目指す仮想通貨ビジネスにとり、自国を最有力候補として位置づけるつもりであることを示唆している。