イングランド銀行はステーブルコイン規制に関する協議を拡大

イングランド銀行がステーブルコイン規制協議を拡大へ

英国政府は国内のステーブルコインの規制を巡る協議を加速させており、英国財務省は2023年8月7日に40ページの新たな協議報告書を公表し、FCA(金融行為監視機構)とBoE(イングランド銀行)の間でステーブルコインに対する規制管轄権のバランスを再調整する可能性を示唆している事が分かった。

2022年、英国政府は同国の銀行法第5部の改正案を提案し、「サービスプロバイダー」カテゴリーを追加した結果、高リスク決済プロバイダーの認定を許可した。この改正は主に2023年金融サービス市場法(FSMA 2023)に類似しており、デジタル決済資産(ステーブルコイン)を支払い方法として認識できるようになったとのことだ。

最新の協議対応報告書では、政府が「システム上重要なステーブルコイン」と呼ぶものの法的規制について、達成可能な措置を定めている。同報告書は、イングランド銀行がFCAと並び、ステーブルコインに対する共同監督の役割を担うことを提案しているが、回答者らは、FCAがサービスプロバイダーに不利な行為をすることを防ぐために、イングランド銀行にさらなる権限を与えることを望んでいるとの結果があらわになっている。同報告書では、健全性規制当局がFCAに対して監視役を務め、特に反論の余地のない金融安定性の懸念が生じた場合、FCAが特定の行動を取るのを阻止することも提案されている。

回答者はリベラルな仮想通貨産業を切望

ほとんどの回答者は、FCAに先駆けてステーブルコインを規制する中央銀行の優位性を保証する一方、この権限の限界についても明確にすることを求めていた。

その結果、規制は障害となるものではなく、自由な仮想通貨市場を実現するための足がかりとなるべきだという結論に至っている。なお、米国SEC(米国証券取引委員会)は、規制に関する意見を集めるために仮想通貨投資家と協議することも構想している。