G20議長国インドがFSBとIMFの世界仮想通貨規制ロードマップの提案
G20議長国であるインドは、仮想通貨に対する世界的な規制枠組導入のロードマップの提案を提出した事が分かった。
世界最大の経済大国であるG20(20カ国・地域フォーラム)の現議長であるインドは、仮想通貨規制に関していくつかの提案をした。この提案によってインドは、包括的、結束的、調整された世界政策の達成に不可欠な特定の作業分野の優先順位付けを支援しようとしている。8月1日(火曜日)に発表された大統領メモの中で、インドは仮想通貨業界の規制基準を準備するため、これまで政府間組織によって作業されてきたが、さまざまな管轄区域で採用された規制を一貫して実施するにはさらなる調整が必要であると考えていると述べた。
同文書は、IMF(国際通貨基金)とFSB(金融安定理事会)が8月末に発表する予定の総合文書に対するインドの意見を反映したものだ。後者は、さまざまな仮想通貨に関連リスク概要を特集し、G20が採択を検討する「仮想通貨の世界的枠組みの確立に関するロードマップ」を組み込む予定で、インドの大統領は次のように説明している。
世界的かつ共通のロードマップを持つことの目標は、各国が各国のマクロ経済、金融の安定性、財務の完全性を守ることを目的とした仮想通貨に関する合意された最低限の政策基準を導入するのを支援することである。各国は規制の取り組みをさらに厳格化することを選択する可能性がある。
ロードマップに行動ポイントの組み込みを提案
インドは、IMFとFSBが文書で提案するロードマップにいくつかの「行動ポイント」を組み込むことを提案している。
これらには、標準の実装、監視、施行の能力を構築するために、すべての管轄区域へのアウトリーチの実施が含まれる。仮想通貨の採用が進んでおり、国際的に活動している仮想通貨取引所や大規模なステーブルコイン発行会社が拠点を置いている管轄区域から始め、承認された政策と規制の枠組みをG20非加盟国にも拡大することでコンセンサスが構築されるとインドは予測している。また、FSBによる仮想通貨によってもたらされる金融安定リスクの継続的な監視、IMFによるマクロ金融の脆弱性の監視、国境を越えた情報共有と消費者保護も求めている。
この覚書は、リスクベースのアプローチに従って、AML(マネーロンダリング対策)のより効果的な実施と管轄区域全体でのCFT(テロ資金供与)基準との闘いを促進するよう求めている。インドは、これらの措置はより広範囲に適用されるべきであり、FATF(金融活動作業部会)はその実施状況をG20に直接報告すべきと確信している。また、インドは各基準設定団体の権限の範囲内で規制当局や機関に技術支援と指導を提供する枠組みを確立し、各管轄区域における推奨基準の実施を監視することを提案している。