米国裁判所はニューヨーク司法長官の訴訟阻止を求める元セルシウスネットワークCEOの申し立てを却下

マシンスキーの虚偽発言が投資家にセルシウスへの資産預けを誘導

米国の裁判官は、NYAG(ニューヨーク州司法長官)のレティシア・ジェームス(Letitia James)司法長官が起こした訴訟を裁判所に却下させるよう求める元セルシウスネットワークCEO(最高経営責任者)であるアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏の試みを却下した事が分かった。

この裁判所の決定は、ジェームズ氏が有価証券を発行したり州内で会社役員を務めたりすることを妨げようとするマシンスキー氏の試みを阻止した事を意味する。ニューヨーク最高裁判所のマーガレット・チャン(Margaret Chan)判事は判決文の中で、マシンスキー氏に対する訴訟を維持するのに十分な告発があるため、ジェームズ氏の訴訟は継続されるべきだと主張したと報じられており、チャン判事は判決文で次のように述べている。

マシンスキー氏の虚偽記載疑惑が新たな投資家にセルシウスの利得口座への資産入金を誘導または促進したというもっともらしい推論を裏付ける十分な主張がある。


マシンスキー氏によるセルシウス社の財務状況の虚偽表示

ジェームズ氏は、セルシウスネットワークの財務健全性に関する前CEOの虚偽で誤解を招く発言が問題となった後、マシンスキー氏に対して訴訟を起こしたと言われている。

さらに、破綻した仮想通貨金融業者の元CEOは、数千人規模の投資家に対して数十億ドル相当のデジタル資産をプラットフォームに預けるよう奨励した疑いも持たれている。NYAGの訴訟に対してマシンスキー氏は、誤解を招く発言とされる内容は実際には「訴訟の余地のない誇張」であり重要ではないとして、訴訟の却下を求める申し立てを提出したという。

大手メディアブルームバーグの報道によると、チャン判事は仮想通貨金融業者の投資家とのやりとりについてのマシンスキー氏の特徴づけに同意しなかったとのこと。その代わりに、同判事は判決の中で、マシンスキー氏に対する申し立ては「会社を存続させるために会社の財務状況を積極的に偽っている個人」を描写していると示唆している。