CEOの妹が2億2000万ドルを保有して逮捕され、マルチチェーンが事業停止

マルチチェーンが事業停止した理由

ブリッジング・プロトコルのマルチチェーン(Multichain)は、ジャオ・ジュン(Zhao jun)CEO(最高経営責任者)の妹が2億2,000万ドル(約304億円)の資金を保有したまま中国警察に逮捕されたため、運営を停止したことが明らかになった。

日本語訳:
1.2023年5月21日、マルチチェーンCEOのジャオ・ジュン氏は中国警察によって自宅から連行され、それ以来、グローバルマルチチェーンチームと連絡が取れていません。チームはMPCノードオペレーターに連絡し、MPCノードサーバーへの運用アクセスキーが…

マルチチェーンはツイッターのスレッドで、代替の情報源とそれに対応する運用資金がないため、運営を停止すると説明。マルチチェーン問題は、春の終わりに、ユーザーがテレグラムで、同プラットフォームが保留中の送金のいくつかを持っていると訴えたことから始まっており、中国当局が複数のマルチチェーン幹部を逮捕したという噂もあったとのこと。これに対して最新のスレッドで同プロジェクトは、中国警察が5月21日に同CEOを逮捕し、その後同CEO妹が逮捕されたことを確認。同プロジェクトによると、彼のラップトップ、携帯電話、ハードウェアの財布、そして中国警察はニーモニック・フレーズを押収しているとのこと。

個人的に管理されていたマルチチェーンプロジェクトサーバー

マルチチェーンプロジェクトは、多人数による計算によって安全性を確保している。

しかし、同CEOはこれを実行するサーバーを個人的に管理しており、通常、このような取引に署名するはずの個人が、彼の逮捕後にアクセスを拒否されたため、プロジェクトはもともと技術的な問題に対処できなかったとみられている。また、同CEOがすべての運営資金と投資家資金を管理していたとされ、同CEOの家族は6月4日、自宅のパソコン履歴データを使ってクラウドサーバーにアクセスしたとされている。彼らはマルチチェーンチームのエンジニアに直接デスクトップにアクセスさせ、2台のルーターの技術的問題に対処させた翌日、マルチチェーンはほぼ通常通り業務を再開したと言う。

同CEOの妹も1カ月後、匿名のIPアドレスからクラウドサーバーで受け取ったログイン認証情報を私用し、MPC(マルチパーティ計算)ウォレットに制限されたクライアント資産にアクセスしたみられている。その後、妹は、資産を自分の管理下にあるウォレットに移し、チームに報告したものの、妹が逮捕されて以降は連絡が取れていないため、妹が保管していた資産の状況は不明とのこと。

実際、妹がクラウドサーバープラットフォーム上のMPCアドレスと自身のIPアドレスからのログイン詳細からお金を移動する一連のトランザクションを発見したとマルチチェーンはTwitterのスレッドで述べている。また、マルチチェーンは現地規則により、ここ数週間は同CEOの拘留に関するニュースを非公開にしていたことを明らかにしており、マルチチェーンは当初、不可抗力であると主張し、後にCEOと連絡が取れなくなったと主張している。