パキスタンの銀行がKYCにブロックチェーン技術を利用

パキスタンの銀行はKYCチェックにブロックチェーン採用を検討

パキスタンの銀行は、全国レベルで運用される顧客確認手続き用の電子プラットフォームの立ち上げを計画しており、ブロックチェーンベースのシステムを導入する事が新たに判明した。

PBA(Pakistan Banks’ Association:パキスタン銀行協会)は、Avanza Group (アバンザグループ)が開発するブロックチェーンベースの顧客確認(KYC)プラットフォームの実装に関する契約に署名。後者は、高度なバンキングアプリケーション、カスタマーエクスペリエンス管理ソリューション、ブロックチェーン、人工知能を専門とする企業を結び付けるとのこと。調印式は3月2日(木曜日)にカラチの業界団体のオフィスで開催され、その会長であるムハンマド・アウラングゼブ(Muhammad Aurangzeb)氏とアバンザ・イノベーションのワカス・ミルザ(Waqas Mirza)CEO(最高経営責任者)を含む多くの役人が出席したとPBAは発表した。

参加銀行の効率向上と顧客体験向上を目指すSBOパキスタン国家銀行

電子KYCシステムを作成するプロジェクトは、SBP(State Bank of Pakistan:パキスタン国家銀行)が同国のAML(反マネーロンダリング)、CTF(対テロ資金調達)制御インフラストラクチャーを強化するための継続的な取り組みの一部であると、プレスリリースで詳述。メンバーに代わってプロジェクトを監督してきた PBA は次のように語っている。

AML の管理を強化するだけでなく、このプラットフォームを導入することで参加銀行の効率が向上し、顧客体験が向上します。

Avanza が設計したe-KYC プラットフォームであるConsonanceは、ブロックチェーン技術を使用して、銀行が「分散型および自己規制型ネットワーク」を介して個人情報を標準化および交換できるようにする。同協会によると、それは顧客の同意を得て行うべきとのこと。銀行は、他の参加機関によって実行された KYC チェックからのデータを使用して、既存および新規の顧客の評価ができる。これにより、オンボーディングコストが最小限に抑えられ、口座開設時の顧客体験が向上するため、「ファイナンシャルインクルージョンが促進される」とPBAは主張している。

2022年3月にSBPのレザ・バキル(Reza Baqir)総裁は、仮想通貨の適切な使用例はほとんどないと述べたと報じられると同時に、同総裁はブロックチェーン技術が多くの問題を解決する可能性を秘めていることを認めている。