ノルウェー警察はAxie Infinityのハッキングに関連して590万ドルを押収

ノルウェー警察がAxie Infinityハッキングに関連した資金を押収

ノルウェー警察は、Axie Infinity（アクシーインフィニティ）のハッキングに関して、6,000万クローネ（約11.5億円）の押収を電子メールを通じてを発表したことが明らかになった。

Økokrim har teke beslag i nærare 60 millionar kroner i kryptovaluta i Axie-saka. Det er det største kryptobeslaget norsk politi nokon gong har gjort. Det er òg blant dei største pengebeslaga som er gjort i Noreg. https://t.co/hZF6Hha88t

— Økokrim (@Okokrim) February 16, 2023

ノルウェーのØkokrim（経済環境犯罪捜査起訴局）は、600万ドル（約8億円）相当の仮想通貨を押収し、スカンジナビアの国で過去最高の仮想通貨押収量となったとのこと。同機関は、この資金が北朝鮮のハッカーによって行われたSky Mavis（ブロックチェーンベースの人気ゲームAxie Infinityを開発するテクノロジー企業）に対する大規模なエクスプロイトの一部であると指摘。

押収された仮想通貨は、2022年3月に発生したAxie Infinityのハッキングに関連するものであり、その結果、約6億ドルと推定される損失が発生。今回の押収はØkokrimによる最大級のものである。第一連邦検事のマリアンヌ・ベンダー（Marianne Bender）氏は、今回の事件について、犯罪者の戦略がいかに高度になったとしても、ブロックチェーン上で資金を追跡するこの国の驚くべき能力を示すものであると述べている。

ハッキングが北朝鮮の重要な金融安定源に

2022年3月、北朝鮮ハッキンググループLazarus Group（ラザルス）が大規模な仮想通貨ハッキングを実行し、Axie Infinityのゲーム開発者から6億ドル以上を盗み出した。

FBI（Federal Bureau of Investigation：米国連邦捜査局）による徹底的な調査の結果、犯人は本当に北朝鮮のLazarus Groupのメンバーであることが明らかになっており、盗み出された資金が、仮想通貨で兵器開発に利用されていることも囁かれている。実際、Lazarusは、数多くの犯罪行為に関連しており、北朝鮮が反論しているにもかかわらず、北朝鮮に拠点を置いていると広く想定されている。

米国のブロックチェーン分析会社Chainalysis　（チェイナリシス）の2022年版レポートによると、北朝鮮は仮想通貨のハッキングにおいてトップで、17億ドル（約2,280億円）以上のデジタル資産が同国のハッカーによって盗み出されており、仮想通貨のハッキングは、北朝鮮の重要な金融安定源の1つになっている。それでも、Chainalysisのおかげで、米国政府は2022年9月中に盗まれた仮想通貨から3,000万ドル（約40億円）を取り戻すことに成功している。

ハッカーたちは、盗み出した仮想通貨をトルネードキャッシュが米国財務省によって制裁される前に、ロンダリングツールとして活用。Chainalysisはこの問題を調査し、北朝鮮のハッカーは2022年に記録的な17億ドル相当の仮想通貨を盗み、その65%をDeFiプロトコルから吸い上げたと推定している。