FBIが詐欺師からNFTと仮想通貨を押収
FBI連邦捜査局は2つの異なる場所から約25万ドル(およそ3,300万円)相当の仮想通貨、デジタル資産、NFT(非代替性トークン)を押収したと公式通知を発行した事が分かった。
米国テキサス州ヒューストンのFBIによって押収された、39,000ドル(約500万円)相当の2.2ビットコイン(Bitcoin/BTC)で、BTCの合計金額は、3つの異なるウォレットから押収された総額とのこと。さらに、2022年10月にチェイス・セネカル(Chase Senecal)という名の利害関係者から11万6,000ドル(約1,500万円)相当の86.5イーサリアム(Ethereum/ETH)が押収と、4万1,000ドル(約540万円)相当のオーデマピゲロイヤルオークウォッチ(Audemars Piguet Royal Oak Watch)も押収されたことが併せて発表された。
また、同じ人物がBAYC(Bored Ape Yacht Club)#9658とDoodle #3114 を含む10万4,000ドル(約1,300万円)相当のNFTも保有していたことが判明。OpenSeaのプロフィール詳細によると、これらはどちらも「C55047」と名乗るユーザーのもので、押収される2日前まで同プラットフォームで活動を続けていたとのこと。
規制と安全の狭間で生じるジレンマに悩む仮想通貨空間
チェーン上の探偵ZachXBT氏は、現在「HZ」として知られている詐欺師の調査を開始している。
この詐欺師の行動により、前述のデジタル資産が没収されている。2022年9月のZachXBT氏のTwitterスレッドは、チェイス・セネカル(Chase Senecal=HZ)容疑者の逮捕につながっている。詐欺師は、多くのTwitterアカウントを乗っ取り、資金を自分の仮想通貨ウォレットに送金し、暗号化プロジェクトからの支払いを自分自身に向けたとみられている。ZachXBT氏は、同容疑者が2022年10月、連邦当局によって没収された高級時計を見せびらかしているのを見た後、彼の正体が明らかになったと述べている。
当局が不正行為を取り締まるため、仮想通貨空間はますます厳しい規制に直面しており、今回の仮想通貨とNFTの押収は、FBI が仮想通貨規制とそれに隣接する法律分野で実力行使する例として印象付けたと言える。今回のFBI捜査事例のように、適切な権限を有していれば、仮想通貨詐欺を迅速に発見し、対処でき、仮想通貨初心者にとってより安全な環境をある程度確保できるだけに、今後も仮想通貨空間では、規制とユーザー保護の両社の狭間でしばらくはジレンマが続きそうである。