Binanceが一転してFTX買収撤退へ
仮想通貨市場に一気に駆け巡った大手仮想通貨取引所BinanceによるFTX買収話は、一夜明ける、買収取引からBinanceが撤退したとの報道が再び市場をにぎわせている。
As a result of corporate due diligence, as well as the latest news reports regarding mishandled customer funds and alleged US agency investigations, we have decided that we will not pursue the potential acquisition of https://t.co/FQ3MIG381f.
— Binance (@binance) November 9, 2022
企業デューデリジェンスの結果、および顧客の資金の取り扱いの誤りや米国政府機関による調査の疑いに関する最新のニュース報道の結果、FTXの潜在的な買収を追求しないことを決定しました。
買収からの撤退の理由の一つとして、Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、FTXの財務状況について、大規模取引所が支援できる範囲を超えていると述べ、翌日にはFTXを買収するという契約を撤回した。
撤退についてBinanceは、FTXの顧客預金取り扱い見直しと、同社に対する米国機関による調査の疑いに照らし、決定が下されたとのこと。
最終的には自由市場によって淘汰されるのか
撤退の発表により、FTXの財政状態はBinanceからも、どうしようもないものであると主張された。
Binanceは当初、FTXの顧客が流動性を提供できるようにサポートできることを望んでいたが、問題は管理や支援能力を超えていると最終的に判断し、小売顧客は「業界の主要企業が倒産するたびに」苦しんでいると述べている。しかし、顧客資金を悪用するような悪者は、最終的には「自由市場」によって淘汰されるとFTXへの批判ともとれる発言をし、次のように結論づけている。
規制の枠組みが開発され、業界がより大きな分散化に向かって進化し続けるにつれて、エコシステムはより強力になるでしょう。
同じく大手仮想通貨取引所のCoinbaseブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOも同様のコメントを出しており、米国の規制がより明確になることで、将来的に保護されていないオフショア取引所を求めることから顧客を守れると信じている。
FTXは11月7日(月曜日)から圧倒的な出金需要を経験し、翌8日にはユーザーの出金を凍結している。ジャオCEOはその後、BinanceがFTXを買収し、流動性危機を乗り切るための拘束力のない契約に署名したことを確認。しかし、当NEXTMONEYの特集記事「Binance CEOがFTX買収を発表」でも報じたように、当初から同CEOは、「裁量によっては取引の取り下げもできる」と述べており、Binance がいつでも契約を撤回する権利を留保していることを明らかにしていた。