ビル・マーレイのイーサリアム・ウォレットがNFTセール後にハッキングされる

俳優ビル・マーレイ氏のETHウォレットがハッキング被害に遭う

アメリカの有名な俳優でコメディアンのビル・マーレイ(Bill Murray)氏は、ハッカーの最新犠牲者となり、NFT(非代替性トークン)チャリティーオークションを終了してからわずか数時間後に18万5,000ドル(約2,600万円)相当のイーサリアム(Ethereum/ETH)を失ったことが分かった。

マーレイ氏が、当選者に“有名人とビールを飲むチャンス”などを提供するNFTトークンチケットのチャリティー募金活動で集めた119.2ETHが、ハッキングの被害に遭遇。CoinbaseのNFTマーケットプレイスと提携し、ザ・シャックが開催したこのオークションは、俳優である同氏が、名優との食事でファンにブロックチェーン体験を提供しようとする、ビル・マーレイ1000コレクションの一部であるコレクターズアイテムを販売していた。

マーレイ氏の個人ウォレットに目をつけていた

イーサリアム(Etherscan)と同氏のプロモーションチームによるオンチェーンデータによると、ハッカーは販売中、マーレイ氏の個人ウォレットに目をつけていたとみられており、売却が完了した午後7時頃、ハッカーは売却が終了する前にウォレットから資金を引き出している。

ハッカーは偽IDを使用して仮想通貨取引所Binanceにリンクされているウォレットアドレスに資金を送金。NFTコンサルタント会社Project VenkmanのセキュリティチームがウォレットにすでにあったダミアンハーストのNFT、2つのCryptoPunks、プーディーペンギン、クールキャットと多数のフラワーガールなどの高額JPEGを売却したとみられており、Coinbaseは声明で、次のように語っている。

コレクション1,000個のNFTのうち、これまでに82個しか発行されておらず(※1/1のみビールユーティリティ付き)、最も安価なエディションは、コインベース(COIN)のマーケットプレイスで11ETH、つまりほぼ17000ドルで販売されています。


被害に遭ったNFTは難病の3歳少女のケア支援予定資金だった

ハッカーはマーレイ氏の個人アカウントに予約されていたコレクションから800枚のNFTを持ち去ろうとしたと報告されている。

しかしセキュリティチームは、不正行為の警告を受けるとすぐにスクリプト(※[scrypt]とはハッシュの計算方式)を実行して送金を停止させている。NFTオークション収益は、Chive Charitiesという非営利団体に寄付され、珍しいCLDN5遺伝子変異の影響と難治性てんかんに苦しむ3歳の少女のケアを支援する予定であったとのこと。一方で、ある後援者がハッキングされた資金の代わりに、Chive Charitiesに187,000ドル(約2,600万円)以上に相当する120ETHを寄付している。

この事件により、マーレイ氏との食事などの特典が実際に行われるかなどは明らかになっておらず、Chainalysisは法執行機関と協力して犯人の追跡と逮捕に取り組んでいるとのことだ。