JPモルガンストラテジスト、FRBのタカ派スタンスの後、投資家に仮想通貨売却をアドバイス

JPモルガンストラテジストがタカ派スタンス後にビットコイン売却を推奨

JPモルガン・アセット・マネジメント(JPMorgan Asset Management)のチーフ・グローバル・ストラテジストのデビッド・ケリー(David Kelly)氏は、バリュエーションに注目し、バリュー株に投資し、仮想通貨を売り、ビットコインに手を出さないよう投資家に助言していることが明らかになった。

FRB(Federal Reserve Board=米国連邦準備制度理事会)がインフレに対する姿勢を固め、金融政策の軟化に関する議論を否定したことでケリー氏は、市場の方向性を懸念する仮想通過投資家にいくつかの提案をしたとのこと。ワイオミング州ジャクソンホールでのジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長の講演後のインタビューで、同氏は、ポジショニングする最善の方法は、バリュエーションに焦点を当て、短期方向を見るのを避けることであるとの見解を示したうえで、t魏のように語っている。

経済が片足をリセッションに、もう片足をバナナの皮に乗せている今。米国と国際的なバリュー、そして株価収益率が比較的低い銘柄をオーバーウェイトするようにすることです。


仮想通貨全般には手を出さない方がいいのか

パウエル議長の最新講演で、インフレ抑制のために金利を高めに維持しなければならない可能性があると強調した後、リスク選好が後退し、ビットコインは一時、7月中旬以来初めて2万ドルを割り込んでいる。

ケリー氏によると、投資家は現在、大型ハイテク株、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、仮想通貨全般には手を出さない方がいいとのアドバイスをし、同氏は、ボラティリティがさらに高まり、景気後退のリスクも高くなると予想している。また、同氏はFRBがインフレ抑制のために闘うことを諦めるまで、米国経済は不況の縁でぐらつくだろうと述べている。とはいえ同氏は、2023年末には経済がより正常に感じられるようになると考えており、FRBは、彼らの監視下でインフレが上昇したという事実に罪悪感を抱き、米国経済の強さを過大評価しているとも付け加えた。また、ゴールドマン・サックスに関しても、投資家はコモディティ(※Commodity=商品先物取引)を買い、不況の心配は後回しにするように促しており、インフレが高止まりし、FRBがタカ派(※1)的なサプライズをする可能性が高くなると、株式は苦しくなる可能性があると強調している。

(※1)タカ派とは…
好戦的で戦争など武力を辞さない姿勢を持つ集団を指す政治用語

一方で、Oandaのシニアマーケットアナリストであるエドワード・モヤ(Edward Moya)氏は、次のように語っている。

パウエル議長がインフレを引き下げるために政策を引き締めることを改めて表明してぶれることなく、ビットコインは弱含みとなった。パウウェル議長のインフレとの戦いは、経済減速の引き金になるとしても、積極的な姿勢を崩さないため、リスク資産は苦戦している。