シンガポール金融管理局は「誤解を招く情報」に対して3ACを非難

MASは3ACが代理店を故意に誤解させたとして非難

MAS(Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融管理局)は、3AC(Three Arrows Capital:スリーアローズキャピタル)が、登録されたファンド管理会社の管理下にある資産の最大値について嘘の情報を報告したとして、同社を非難した事が分かった。

今回MASが3ACを非難するに至った背景には、同社が登録されているブリティッシュバージン諸島の裁判所からの清算命令の裏にある。同社は貸し手のマージンコールに対応できず、仮想通貨の貸し手であるBlockFiGenesisによる早期の清算と、カナダのブローカーであるVoyagerDigitalからの不履行の通知につながっており、MASは管理と所有権に関して代理店を故意に誤解させたとして非難している。

疑惑の核心とは

MASは、3ACが誤解を招く情報を提供したと非難しており、登録された資金管理会社として、3ACは最大30人の投資家で最大1億8,000万ドル(約242.8億円)を管理するライセンスを付与されていた。

同社は2021年9月、ファンドの経営契約条件を変更し、経営陣がブリティッシュバージン諸島に移転するようにしたものの、2022年2月に基金の一部を管理し続け、2022年4月29日にシンガポールでの事業を停止する意向をMASに通知。MASは、シンガポールと英国バージン諸島の両方の事業体が共同創設者のス・ズー(Su Zhu)氏を株主としてリストしたため、ファンド管理の場所を移動するという3ACの意図が不透明になったと主張している。

3ACは、MASに取締役のズー氏とカイル・デイビーズ(Kyle Davies)氏の取締役と株式の割り当ての変更についてタイムリーに通知しなかったと指摘されている。また、MASは3ACが2020年7月から2020年9月までと、2020年11月から2021年8月までの2つの期間に許可された1億8,000万ドルを超える資金を管理したと主張している。

2022年6月30日(木曜日)に発表された3ACの清算は、コンサルタント業務を手掛けているTeneoRestructuring社によって管理されている。TeneoRestructuring社は、債権者が3ACに対して請求できるよう、3ACの資産を定量化した後、ウェブサイトを開設するとのこと。3ACは、現在非流動的な資産となっている複数の仮想通貨会社や新興企業に投資していた事が分かっている。3ACは、MASによる叱責に対してまだ公に対応しておらず、MASは、3ACがその規制のさらなる違反に責任があるかどうかも調査していないとのことだ。

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