中国で違法な大規模マイニング活動が活発化
CCAF(ケンブリッジオルタナティブファイナンスセンター)のデータによると、中国で大規模なビットコインマイニングが行われていることが明らかになった。
ケンブリッジオルタナティブファイナンスセンターより画像引用
CCAFが提供するケンブリッジ・ビットコイン電力消費指数(CBECI)から報告された地理的位置情報によると、2021年9月から2022年1月にかけて、ビットコインの総ハッシュレートの約20%が中国からもたらされていたとのこと。このデータは 重要な地下マイニング活動が中国国内で形成されていることを強く示唆しており、中国政府からの監視を逃れる一つの方法であると推測されており、CCAFは次のようにコメントしている。
これらのビットコインマイナーは、オフグリッドの電気へのアクセス によって運営されており、地理的に散在する小規模事業で構成されているようです。
より摘発が困難な環境でのマイニング活動
CCAFは中国の仮想通貨マイナーが地下でマイニングを開始するためには、その規模で既存の追跡不可能なホスト施設を見つけたり、新たに建設する必要があるほか、注目と監視の目をそらすために外国のプロキシサービスを使って痕跡を隠しているという。
中国は長らく世界最大のビットコインマイニング国家であったが、2021年5月に中国がビットコインのマイニングを公式に禁止したことで、7月までに同国のビットコインマイニングはゼロになったというデータがあった。しかし今回のデータによると、中国のマイニング活動は2021年8月に22.3%まで急速に回復しており、中国より高い世界最大のビットコインマイナーとして知られている米国だけが、27.7%と高い数値を示していた。
実際、2021年11月、中国のインターネットセキュリティ企業であるQihoo 360(奇虎360)はマイニングモニターを公開し、中国でビットコインのマイニングがまだ活発に行われている証拠を公開している。Qihoo 360のデータによると、仮想通貨マイニングを行っている中国のIPアドレスは1日平均109,000件あり、その大半は広東省、江蘇省、浙江省、山東省で発生しているという。さらに、業界関係者によると、こうした中国のビットコインマイナーは、VPNを使い一カ所からあまりエネルギーを使わないように分散化を図っているため、電気会社がマイニングによるエネルギー消費を察知することが困難になっているとのこと。一方で、2022年は価格面では不調であるものの、ビットコインのマイニング活動の大まかな指標であるビットコインマイニング難易度は最近、過去最高を記録している。