Metaの子会社WhatsAppがNoviウォレットから仮想通貨送受信トライアルを開始

MetaがNoviウォレットから仮想通貨の送受信を可能に

Meta(Meta Platforms, Inc.、旧Facebook)の子会社であるWhatsApp(ワッツアップ)は、米国の一部のユーザーがNoviデジタルウォレットを使用して仮想通貨を送受信できるようにする、新しいパイロットプログラムを開始したことをNoviのチーフであるステファン・カスリエル(Stephane Kasriel)が12月9日(木曜日)、Twitterで発表した。

Noviによると、ユーザーはWhatsAppチャットを離れず、即座に、安全に、手数料なしで送金と受け取りができる。トライアルのユーザーは、WhatsAppのNoviを介して、迅速かつ簡単に資金を無料で転送でき、プロセスのより広範な概念実証テストとして機能する。

WhatsAppがサポートする仮想通貨は、Diemはサポートされていない代わりに、PaxDollars(USDP)のみで、仮想通貨の高いボラティリティを気にせず取引できる。また、ユーザーは、既存のNoviアカウントにログインするか、アカウントがない場合は新しいNoviアカウントを作成するほか、身分証明書を提示し、銀行口座をリンクする必要がある。さらにこのサービスは、セキュリティとプライバシーを最優先しており、疑わしいアクティビティを検出してフラグを立てるのに役立つ組み込みコントロールと24時間年中無休のアカウント監視を備
えている。

Noviが使用する財務情報や写真付きIDなどのドキュメントは、WhatsAppメッセージや通話に加え、完全に暗号化されるため、セキュリティに配慮した送金が可能になる。ただし、現時点では、MetaがNoviウォレットを介してアプリで発生する金融取引を、追跡する方法と計画があるかどうかについては明らかになっておらず、Noviの製品担当副社長であるステファン・カスリエル(Stephane Kasriel)氏は次のように述べている。

WhatsAppが愛する人への送金に利用されていることを私たちは認識しています。Noviを使用することで、人々は安全に、即座に、無料で送金ができ、支払いは人々のチャットに直接表示されます。Noviはまだパイロットの早い段階にあるので、米国で新しいエントリーポイントをテストして開始することを決定しました。今後さらなる地域にNoviを拡張する予定です。

一方で、Metaが米国規制当局からの計り知れない反発を受けたことから、NEXTMONEYの特集記事「フェイスブックのリブラ、「Diem」にブランド変更」でも報じているように、LibraはDiemとしてリブランド。それと同時に、CalibraウォレットはNoviにリブランドしたが、Diemの行方はいまだに明らかになっていないのが現状だ。

フェイスブックのリブラ、「Diem」にブランド変更

2020.12.03