HSBCがCBDC計画で8かコックの中央銀行と提携
銀行大手のHSBCがCBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)を支援し、現在8カ国の中央銀行と協力して計画を進めていることが9月20日付の公式声明で発表されていた事が複数メディアの報道によって判明した。
HSBCグループのノエル・クイン(Noel Quinn)CEO(最高経営責任者)は、同銀行は英国、フランス、カナダ、シンガポール、中国、香港、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行と協力。金融セクター全体のイノベーションを促進し、デジタル通貨の計画を模索していると述べた。クインCEOはCBDCと、デジタル通貨を発行する際、政府がこのテクノロジーをどのように使用できるかについて前向きな意見を述べ、現金ではなくデジタル通貨に切り替えることで、コストの削減とより効率的な支払いにつながる現金処理コストの削減について着目していると明かしている。
CBDCと将来の金融システムの役割への見解
クインCEOは、取引のスピードと、政府や中央銀行がより広い金融政策の目的を達成するのを助けながら、債券コストを下げる原子取引を実行する能力を強調している。
同CEOのコメントは、BIS(Bank for International Settlements=国際決済銀行)の責任者であるブノワ・クーレ(Benoit Cœuré)氏からの同様の発言と一致している。クーレ氏は、2021年9月初旬のスピーチにて、CBDCと将来の金融システムにおけるCBDCの役割について楽観的な見解を示し、次のように語っている。
金融システムは私たちの足元で変化しています。中央銀行が動き出す時が過ぎました。
またクインCEOは、HSBCがCBDCのハイブリッドモデルを好んでおり中央銀行と商業銀行が連携して通貨を提供することに依存しており、次のように語っている。
HSBCは、ハイブリッドモデル(CBDC自体は中央銀行に対する請求であるが、商業銀行が決済サービスと口座管理活動を提供するため、2層モデルと呼ばれることもある)が断然最良の設計オプションであると考えています。
クインCEOのコメントは、HSBCと現在協力している中央銀行が将来的な政策的立場を形成するための可能な方向性を示している可能性があるとみられており、業界関係者などから注目されている。