SWIFT、国境を越えた即時決済を可能に

SWIFT、国境を越えた即時決済を可能に

ブリュッセルに本拠を置く銀行間協同組合であるSWIFT(国際銀行間通信協会)は、国境を越えた即時決済が利用可能になった。

SWIFTは、英国に本拠を置くLloyds Banking Group(ロイズ・バンキング・グループ)のシステムを利用した、国境を超えた支払いを数秒で完了するSWIFT gpiInstantを発表した。SWIFTの責任者は、「既存のインフラストラクチャを使用して、24時間年中無休でより良いサービスを提供できるようにします。速度が速く、手数料が明確で、口座へ入金される時期を正確に予測することができます。」と述べており、実証ベースまで進んだのは世界初となる。

国際銀行間通信協会の略であるSWIFTは、安全な国際決済と貿易金融の世界標準であるが、これまでネットワークについてコストの大きさと時間のかかる非効率性について批判されてきた。今回のSWIFTのグローバルペイメントイノベーションはこれらの批判から生まれたもので、 2017年から1,100を超える国での支払い追跡と料金の透明性を強化してきた。

最近では、SWIFTの競争相手は、TransferWiseやRevolutのようなブロックチェーンテクノロジーを活用した新興企業に限らず、多くの企業に拡大している。その例として、JPMorganChase(JPモルガン)は、分散型台帳テクノロジーを使用してコンプライアンスを強化し、処理の遅延を削減するブロックチェーンコンソーシアムであるInterbankInformation Networkを発表している。これは130を超える銀行パートナーを含むネットワークとして拡大し、その後Liinkとしてブランド名を変更し、Onyxブロックチェーン上に構築されている。

今やブロックチェーンテクノロジーは、世界の決済環境における主要な手段として利用されており、 SWIFTとは異なり、ブロックチェーンは分散型という方法で国境を越えた転送を可能にしているという違いがある。その中でもリップルは、おそらくブロックチェーンベースのグローバル送金システムの最も有名な例であり、支払いとともにメッセージを送ることができ、わずか3秒で決済を完了できるとのことだ。

国境を超えた即時決済の手段は日に日に多様化しているのが現状であり、覇権争いは一層熾烈さを極めていると言えるだろう。