仮想通貨に係る改正資金決済法の施行日が5月1日に決定
仮想通貨に係る改正資金決済法が5月1日に施行される。これまで具体的な施行時期は明らかにされていなかったが、4月3日に告示された日本の政府機関紙「官報」で初めて明らかになった。
なお、官報3ページ目 七項に、「この政令は、情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日(令和二年五月一日)から施行することとした」と記載されている。また、今回の改正資金決済法の変更点を以下のように説明している。
暗号資産交換業に係る制度整備
- 暗号資産交換業の登録の申請、取り扱う暗号資産の名称又は業務の内容及び方法の変更に係る事前届出等に関する規定を整備する。
- 暗号資産交換業者の広告の表示方法、禁止行為、利用者に対する情報の提供その他利用者保護を図るための措置、利用者の金銭・暗号資産の管理方法等、暗号資産交換業者の業務に関する規定を整備する。
- 取引時確認が必要となる取引の敷居値の引下げを行う。
暗号資産を用いたデリバティブ取引や資金調達取引に関する規制の整備
- 暗号資産を用いたデリバティブ取引や資金調達取引を業として行う場合における金融商品取引業の登録の申請、業務の内容及び方法の変更に係る事前届出等に関する規定を整備する。
- 金融商品取引業者等の業務管理体制の整備、広告の表示方法、顧客に対する情報の提供、禁止行為、顧客の電子記録移転権利等の管理方法等、暗号資産を用いたデリバティブ取引や資金調達取引を業として行う金融商品取引業者等の業務に関する規定を整備する。
- 電子記録移転権利等に係る私募の要件、有価証券報告書の提出要件・免除要件、有価証券届出書等の開示内容等に関する規定を整備する。
その他
- 「暗号資産」に関する用語の整理等のほか、投資信託の投資対象、金融機関の業務範囲等について、所要の規定の整備を行う。
- 金融商品取引業者の自己資本規制における暗号資産の取扱い等に関する規定を整備する。
- 暗号資産や電子記録移転権利等に関する監督上の着眼点や法令等の適用に当たり留意すべき事項等について明確化を図る。
改正資金決済法の成立から現在に至るまでの経緯
仮想通貨の交換業者や取引に関する規制強化案を盛り込んだ改正資金決済法と改正金融商品取引法は2019年5月、参院本会議で可決・成立。明確な規制がなかった仮想通貨の取引ルールがつくられ、株式市場と同様、相場操縦や風説の流布といった行為が禁止となった。
その後、金融庁は2020年1月、法律の施行を前に、具体的な内容を定める政省令案や内閣府令案を発表、パブリックコメントを実施していた。パブリックコメントの結果は4月3日に発表され、172の個人及び団体から延べ398件が寄せられている。