EU財務省「リブラのような民間企業デジタル通貨は認めない」
ロイター通信によると、欧州連合の財務大臣はフェイスブックのリブラのような民間デジタル通貨は、彼らが引き起こす可能性のあるリスクに対処するまで許可されるべきではないという立場を明らかにした。
この動きは、昨年6月にリブラが発表されて以来、リブラが金融システムに及ぼす可能性のある影響について、世界の規制当局から批判を集めていることに起因しているようだ。
大臣は「民間デジタル通貨には法的、規制、監督の課題があり、適切に対処されるまで、欧州連合ではグローバルなステーブルコインの取り決めは一切開始すべきではない」と共同声明で述べた。
ステーブルコインはLibraのようなデジタル通貨であり、従来のお金や他の証券に支えられているが、ビットコインのような仮想通貨は価値の裏付けがないという違いがある。
最近ではリブラに対して規制当局の監視の目が強まったこともあってか、リブラと提携を発表していたマスターカードやビザを含む定型企業の4分の1がプロジェクトからの脱退を発表した。
また、EUの財務委員であるバルディス・ドンブロフスキーは木曜日にブリュッセルで開かれた会議で、欧州委員会は世界的な計画の一部として暗号資産とステーブルコインの規制に取り組み始めていることを財務大臣に語った。
しかしその一方で、財務相に提出された文書の中でECBは、公的なデジタル通貨が必要になる可能性があることも述べている。
ECBはその理由として、現金使用量の減少の兆候が世界的に見られており、近年その勢いが加速していることをあげているが、イニシアチブの金融システムへの影響は非常に大きくなる可能性があるため、慎重に評価する必要があると警告している。