英大手金融機関HSBC、ブロックチェーン上で初の人民元建て貿易取引に成功

英大手金融機関HSBC、ブロックチェーン上で初の人民元建て貿易取引に成功

イギリスの大手金融機関HSBCが、ブロックチェーンを用いた人民元建て信用状取引を初めて実施し、成功した。

HSBSは火曜日、この取引は欧州を拠点とするメガバンクBNPパリバや、ロンドンの銀行金融グループ・スタンダードチャータードを含む、他の銀行とともに開発されたVoltron(ボルトロン)貿易金融ブロックチェーンプラットフォームの進展を示したとロイターが報道。信用状は、貿易取引において売り手が買い手によって支払われるフローを円滑にする手段である。

HSBCのアジア太平洋地域のグローバル貿易および債権ファイナンスの地域責任者であるAjay Sharma(アジャイ・ジャルマ)氏は、「同銀行は今年末または2020年初頭に小規模パイロットからプラットフォームの商業展開に移行しつつある」と述べた。 Voltronでのこれまでの作業の成果が、他の銀行がプラットフォーム上の取り組みに参加することを期待しているとも言及している。

ジャルマ氏は、「銀行が取引促進を目的にブロックチェーンを使用することで、ビジネスのコストを削減し、取引スピードの改善を導くことを期待している」と強調。現在の信用状取引は紙ベースで行われているため、決済完了までに5〜10日ほど要しているが、ボルトロンを用いてブロックチェーン上で信用状をやり取りすることで、決済完了までの時間を24時間に短縮できるという。

人民元のブロックチェーン促進

人民元でのブロックチェーン取引の促進は、主要市場への道を確約する。SWIFT(国際銀行間通信協会)からの情報に基づき、中国関連の取引は、昨年7,500億ドル相当の120万件の信用状を産出していると言われ、今回の信用状取引はさらなる取引拡大につながりそうだ。

ボルトロンに関しては、スタンダードチャータード銀行が今年8月、タイの国営石油企業PTTグループなどと協力し、クロスボーダーの信用状取引の試験に成功している。