2018年4月にVC(ベンチャーキャピタル)を含む多くの投資家から約133万ドルの資金調達をした、ステーブルコインの仮想通貨プロジェクトBasis(ベーシス)は13日、同プロジェクトの公式ブログにてプロジェクトを終了し、投資家などに資金を返金することを発表した。
公式ブログでは、最大の理由を「プロジェクトベーシスを開始するに際して、Bondトークンを使用した無担保型ステーブルコインのアルゴリズムが、米国の証券規制に該当した。当社の弁護士は再建と株式のトークンの証券状態を回避する方法がナイトの合意に達した。」と述べている。
ベーシスは2018年4月にプロジェクトを開始、世界的なベンチャーキャピタルであるAndreessen Horowitzや、Bain Capital Ventures、Stanley Druckenmillerなどから133万ドルの資金調達を受けていた。
今回の発表について同プロジェクトのCEOであるNader Al-Naji(ネイダー・アルナジ)氏は、次のようにコメントしている。
「私たちのトークンのセキュリティ分類を逃れる方法はないと考えていました。それは非常に否定的な発見でした。」
仮想通貨と聞くと、ボラティリティ(価格の変動)が激しいイメージがあると思いますが、法定通貨や、仮想通貨を担保として価値を持たせる(価値のあるものを利用)することで仮想通貨の価値を安定させているものがステーブルコインである。
- 法定通貨担保型
- 仮想通貨担保型
- 無担保型
仮想通貨市場でステーブルコインは生き残るのか?
仮想通貨市場が下落している際にスターブルコインは大きな影響を受ける。実際に2018年現在、仮想通貨市場は大きな下落を続けており、法定通貨担保型のステーブルコインTether(テザー/USDT)が需要を見せている。
しかし、ベーシスは資金調達を完了し、ステーブルコインのアルゴリズムの実装および、実際に使用される前にプロジェクト開始8ヶ月で規制という問題に接触する形となった。
現在、最も世界中の投資家などに使用されているステーブルコインは、テザー社が発行するUSDTである。今年10月には仮想資産のベンチャー企業である「Blockchain」が発表した研究報告によると、ステーブルコインの毎日の取引量の「98%がUSDT」であることが明らかとなっている。
仮想通貨市場のステーブルコインという分野において、USDTの取引量を超えるステーブルコインが誕生することは現実的に難しく、さらに今回の規制という問題を解決できないことを考えると、ステーブルコインのプロジェクト環境は良いとは言えない。
米国の仮想通貨プロジェクト(ICO)はどうなるか?
さらに米国における仮想通貨プロジェクトのの規制が強まり始めている。
米証券取引委員会(SEC)は11月、2つのICOプロジェクト「Airfox(エアフォックス)」「Paragon(パラゴン)」を世界初となるトークンが未登録証券であるとして起訴を発表、投資家に資金の返金を発表した。
これを筆頭に仮想通貨の資金調達(ICO)でプロジェクトを始めようとしているプロジェクトも、すでに初めているプロジェクトも「返金」や「プロジェクト終了」という結果になる可能性が多くなりそうである。