ZachXBT氏が暗号資産取引所AscendEXに流動性危機による出金遅延を警告
暗号資産業界で高い信頼を得ているオンチェーンアナリストのZachXBT氏が、CEX(中央集権型取引所)のAscendEX(アセンデックス、旧Bitmax)において、深刻な流動性不足とそれに伴う出金遅延が発生している可能性を指摘し、ユーザーへ警戒を呼びかけた。
コミュニティアラート:中央集権型取引所AscendEX(旧Bitmax)がユーザーの出金を数日から数週間遅延させている、または出金処理を行っていないという報告が複数寄せられて…
ZachXBT氏が暗号資産データ分析プラットフォームArkham(アーカム)およびTRMを用いて同取引所の公開ホットウォレットを調査したところ、イーサリアム(Ethereum/ETH)、テザー(Tether/USDT)、ソラナ(Solana/SOL)といった時価総額の大きい主要トークンの保有高が、著しく減少していることが判明した。この調査結果は、現在多くのユーザーから寄せられている「資金が引き出せない」というトラブル報告を裏付けるものとなっている。
オンラインコミュニティのReddit(レディット)などでは、複数のユーザーが「出金を申請したものの、取引ID(TxID)すら発行されずに残高だけが差し引かれ、数週間もステータスが『開始中』のままロックされている」といった深刻な状況を訴えている。
取引所の沈黙と、創業者の私生活への痛烈な批判
こうした混乱に対し、AscendEX側はサポート窓口を通じた具体的な説明や、公式な声明を一切発表しておらず、不誠実な対応にユーザーの不信感は募る一方である。
ZachXBT氏は自身のSNS上で同取引所に直接、「なぜ出金の滞りが発生しているのか」「なぜホットウォレットの流動性がこれほど枯渇しているのか」という2点について明確な回答を要求。さらに同氏は、これまでの財務運用の不透明さを揶揄(やゆ)するように、創業者がプライベートジェットのチャーターや高級品の購入といった贅沢に資金を費やしてきたツケが回ってきたのではないか、と皮肉を交えて厳しく批判している。
過去のハッキング被害とCEXへの根強い不信感
2018年に設立されたAscendEXは、2021年12月にも北朝鮮のハッカー集団Lazarus Group(ラザルス)によるものとされる約7,800万ドル(※現在レートで約126億円、当時のレートで約88億円)規模の巨額ハッキング事件に見舞われた過去がある。
今回の流動性問題がこの過去の事件と直接関係しているかは不明だが、取引所のセキュリティや準備金の管理体制に対する懸念が再び浮き彫りになった形だ。
取引所は資産の一部をオフライン環境のコールドウォレットで安全に保管している可能性もあるため、ホットウォレットの残高減少が即座に破綻を意味するわけではない。しかし、顧客への出金が滞っている事実は、業界において重大な危険信号とみなされている。
ユーザーに求められる防衛策
今回の事態は、暗号資産界隈で長年言われ続けている「秘密鍵を持たぬ者は、資産の所有者ではない(Not your keys, not your coins)」という教訓を改めて市場に突きつけた。
中央集権的なプラットフォームに資産を預け続けるリスクが浮き彫りになり、今後はより安全なセルフカストディ(自己管理型)ウォレットへ資産を移す動きが一段と加速するとみられる。
現時点でAscendEXに資産を保有しているユーザーは、公式からの発表を注視しつつ、まずは流動性が確保されていると思われるネットワークや資産を選択し、少額での“テスト出金”を試みるなど、リスクを最小限に抑えるための慎重な行動が推奨される。
























