アーサー・ヘイズ氏がテザーの投資はリスク大と警告
アーサー・ヘイズ（Arthur Hayes）氏は、テザーがリスクの高い金利取引を行っており、市場がテザーに不利な方向に動けばUSDTの支払い能力が脅かされる可能性があると警告した。
The Tether folks are in the early innings of running a massive interest rate trade. How I read this audit is they think the Fed will cut rates which crushes their interest income. In response, they are buying gold and $BTC that should in theory moon as the price of money falls.… pic.twitter.com/ZGhQRP4SVF
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) November 29, 2025
テザー関係者は、大規模な金利取引の初期段階にあります。この監査報告書から私が読み取るところによると、彼らはFRBが金利を引き下げ、金利収入が減少すると考えているようです。そのため…
BitMEX（ビットメックス）の共同創業者である同氏は、テザーの最新のアテステーションレポート（※証明の証拠）を分析し、同社のビットコイン（Bitcoin/BTC）と金（Gold）の保有量が30%減少すれば、自己資本が消滅すると指摘した。
資産の内訳によると、テザーはビットコインを98億6,000万ドル（約1.5兆円）、貴金属を129億2,000万ドル（※2兆円）保有している。同氏は、テザーが大規模な金利トレードの初期段階にあると示唆。Xの投稿で、同社はFRB（Federal Reserve Board：連邦準備制度理事会）の利下げに賭けているようだと述べ、そうなれば米国債やその他の固定利付資産からの金利収入が激減するだろうと指摘した。
最新の準備金報告書によると、テザーはUSDTを裏付けるために約1,810億ドル（約28兆円）の資産を保有している。その大部分は現金と、国債、レポ、マネーマーケット商品などの流動性の高い証券だ。その他の保有資産には、約130億ドル（約2兆円）の貴金属、約100億ドル（約1.5兆円）のビットコイン、140億ドル（約2.17兆円）以上の担保付きローンといくつかの小規模な投資カテゴリーが含まれている。
なお、テザーは、ビットコインなどの高リスク資産への配分を増やしていることから、S&Pグローバル・レーティングから「weak（弱い）」安定性評価を受けた。
金とビットコインの保有ポジション次第でUSDTは債務超過の可能性も
同氏は、金とビットコインの保有ポジションが合計で約30%減少すれば、テザーの自己資本の緩衝材がなくなると試算し、「そうなれば、USDTは理論上、債務超過に陥るだろう」と述べている。
同氏は、USDTの大口保有者と取引所が、債務超過リスクを監視するために、リアルタイムのバランスシートへのアクセスを要求するだろうと予測。あるXユーザーは、テザーの戦略を擁護し、ビットコインと金の購入は新規発行されたUSDTではなく、利益と余剰準備金から行われていると説明。「彼らは需要がある場合にのみ通貨を鋳造し、BTCと金の配分は彼らが生み出した余剰金から行われている」と主張。ヘイズ氏はこの説明に疑問を呈し。自身もそう考えていたが、なぜ彼らの現金資産の定義が未払い負債よりも少ないのだろうか、自身が何を見逃しているのかと同氏は述べている。
