ウエスタンユニオンがステーブルコイン決済システムの試験運用を開始
ウエスタンユニオン(Western Union)は、新GENIUS法に基づき、決済の迅速化、コスト削減、決済システムの近代化を目指し、ステーブルコイン・ソリューションの試験運用を開始した。
世界最大手の国際送金サービス事業者ウエスタンユニオンは、財務業務を強化し、国境を越えた送金方法を近代化するため、ステーブルコインベースの決済システムを試験運用を開始。同社のデビン・マクグラナハン(Devin McGranahan)CEO(最高経営責任者)は電話会議の中で、同社は現在、財務取引向けのステーブルコイン・ベースのソリューションを積極的に試験運用していることを明らかにした。
175年の歴史を持つ同社は、デジタル変革の次の段階を模索しており、その目標は決済時間の短縮、透明性の向上、そして運用コストの削減を目標に掲げているという。また、これにより、「従来のコルレス銀行システムへの依存を軽減し、決済期間を短縮し、資本効率を向上させる」ことができるという。
今回の発表は、同CEOが2025年7月のGENIUS法成立後に、ステーブルコインを導入する計画を初めて明らかにした発言に続くものだ。
TradFiとDeFiの架け橋を目指す
ウエスタンユニオンの2025年第3四半期決算発表会見で、同CEOは、同社が財務業務においてステーブルコイン・ソリューションの試験運用を開始したことを改めて強調した。
この取り組みは、従来の銀行システムへの依存度の低減、決済期間の短縮、国際取引における資本効率の向上を目指している。同CEOはまた、潜在的なパートナーからの関心が高まっていることにも言及し、ウエスタンユニオンがTradFi(伝統的金融)とDeFi(分散型金融)の架け橋となり、顧客に価値の保管と移動の新たな手段を提供できると確信していると述べたうえで、次のようにコメントした。
これは、お客様に資金の管理と移動方法に関する選択肢とコントロールをより多く提供することです。
同CEOは述べ、インフレに見舞われている地域において、米ドル建てのデジタル資産が貯蓄と購買力を真に保護する可能性があると指摘した。
財務業務以外で同社は、グローバルネットワークをデジタル資産のオンランプおよびオフランプとして活用する計画を検討。同CEOは、従来の銀行業務が限られている地域において、同社のインフラを活用して従来の金融と仮想通貨経済を繋ぎたいと考えているデジタルネイティブの潜在的パートナーから「強い関心」が寄せられていると述べている。
なお同社は、将来的にユーザーが同社プラットフォーム上で直接ステーブルコインを保管できるようになる可能性を示唆しているものの、具体的な導入時期については言及していない。
























