サークル(Circle)、トランプ大統領の貿易政策による経済不透明感でIPO延期

サークル(Circle)が景気後退への懸念でIPO延期の可能性

ステーブルコインUSDC発行企業のサークル(Circle)は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米国大統領の貿易政策とそれに起因する潜在的な景気後退への懸念から、IPO(Initial Public Offering:新規仮想通貨公開)を延期する可能性がある。

米ドル連動型ステーブルコインUSDCを発行する同社は、米国大統領の新しい貿易政策による経済不安のため、IPOを延期する可能性が高いとウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。2025年4月1日(火曜日)、同社は上場登録書類をSEC(米国証券取引委員会)に提出。同社は現在、さらなる措置を講じる前に「不安を抱えながら時を待っている」という。

同社による延期の可能性は、トランプ大統領が 4 月 2 日に全面的な貿易関税を発表したことを受けて数兆ドルの株主価値が消失し、投資家が貿易戦争の長期化が世界的な景気後退を引き起こすのではないかと懸念する中で起きた動きだ。トランプ大統領の関税命令は、すべての国からの商品に10%の基本関税を課し、米国の輸入品に課税する国には報復関税を課す。

貿易関税発表の翌3日、マクロ経済の不確実性の高まりを受けて投資家がリスクの高い資産からより安定した代替資産に切り替えたことから、米国株式市場から2兆ドル(約291兆円)以上の時価総額が消失。株式市場のボラティリティ(価格変動差)を測定し、非公式に「ウォール街恐怖指数(Wall Street Fear Index)」と呼ばれるVIX (S&P500ボラティリティ指数)は現在41ポイントを超えており、投資家の間で極度の懸念が生じていることを示している。

高まり続ける米国の景気後退への懸念

トランプ政権の貿易政策に対抗関税で対応する国が増えるなか、米国の景気後退への懸念は高まり続けている。

ARKインベストの創設者キャシー・ウッド(Cathie Wood)氏は、同大統領が関税大統領令に署名する前から、差し迫った景気後退への懸念を表明し、3月18日のデジタルアセットサミットで次のように述べている。

景気後退を心配しています。マネーの流通速度が劇的に低下していると考えています。

サークルが提供した情報によると、サークルは「CRCL」というティッカーで株式を販売する予定だが、文書には売り出された株式数や初値に関するデータは記載されていない。

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