エルサルバドルがIMF融資確保のためビットコイン法改正を検討
エルサルバドルは最近、ビットコイン法改正の見返りに13億ドル(約1,964億円)の融資契約でIMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)と合意する見込みと報じられている。
世界で初めてビットコイン(Bitcoin/BTC)を法定通貨として受け入れたエルサルバドルが、IMFからの圧力でビットコイン戦略を縮小していると報じられている。同国は、ビットコイン法を変更する見返りとして、13億ドルの融資契約についてIMFと合意に達する見込みであると、フィナンシャル・タイムズ紙は12月9日付で報道。確認されれば、この取引はエルサルバドル政府に、企業がビットコインを受け入れるための法的要件を取り下げる義務を課すことになる。
今後2~3週間で最終決定される見込みのこの取引により、今後数年間で世界銀行からさらに10億ドル(約1,511億円)、米州開発銀行から10億ドルの融資が受けられるようになるとも予想されている。
IMFはビットコイン法定通貨化前から反対姿勢を貫く
当NEXTMONEYの2021年11月24日付特集記事「IMFがエルサルバドルにビットコインを法定通貨として使用しないよう警告」や2023年2月13日付特集記事「IMF国際通貨基金がビットコインリスクに対処するようエルサルバドルに要請」で報じたように、IMFは以前からエルサルバドルのビットコイン採用に反対している。
2021年9月にビットコインを法定通貨として採用する決定の背後にある金融安定リスクについて、政府とエルサルバドルのナシブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領に繰り返し警告。さらに、エルサルバドルが2021年7月にビットコイン法を採用する準備を進めていた際にIMFは、カストマについて警告。2023年2月にはエルサルバドルに対し、ビットコインの採用が具体化していないとして、ビットコイン関連のリスクに対処するよう促しており、CoinGeckoのデータによると、当時ビットコインは21,600ドル(約326万円)前後で取引されていた。
エルサルバドルは2021年9月にビットコイン法を採択して以来、ビットコインを購入しており、9月6日に最初の200BTCを購入。その後もビットコインの取得を続けており、毎日1BTCを購入することを約束し、2024年11月時点で5,942BTCを積み上げている。ビットコインが2024年12月初旬に10万ドルを超える史上最高値まで上昇した後、エルサルバドルのBTC購入による含み益は3億ドル(約453億円)以上に急増している。
IMFとサルバドル政府は、少なくとも2024年10月以来、13億ドル(約1,963.8億円)の融資とエルサルバドルのビットコイン法の変更の可能性について協議しているとのことだ。