米国SECがNYSEとCboeのスポットビットコインETFオプション取引を承認

NYSEとCboeのスポットビットコインETFオプション取引を承認

SEC(米国証券取引委員会)は、NYSE(New York Stock Exchange:ニューヨーク証券取引所)とCBOE(Chicago Board Options Exchange:シカゴ・ボード・オプション取引所)の両方に上場されているビットコインETF(上場投資信託)のオプション取引を承認したことが明らかになった。

この承認により、トレーダーはGBTC(Grayscale Bitcoin Trust :グレースケール・ビットコイン・トラスト)、Grayscale Bitcoin Mini Trust(グレーケース・ビットコイン・ミニトラスト)、Bitwise Bitcoin ETF(ビットワイズ・ビットコインETF)などのビットコインETPをオプション取引の原証券として使用できるようになる。

さらにSECは、両取引所におけるFBTC(Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund:フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド)、ARKB(ARK21Shares Bitcoin ETF :ARK21シェアーズ・ビットコインETF)、BTCO(Invesco Galaxy Bitcoin ETF:インベスコ・ギャラクシー・ビットコインETF)を含む他のスポット型ビットコインETFのオプションの上場と取引の加速承認を与えたとのこと。

なお、NYSEでは、以下11社のETFプロバイダーに対してオプション取引が利用可能になる。

・Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド)
・ARK21Shares Bitcoin ETF(ARK21シェアーズ ビットコインETF)
・(Invesco Galaxy Bitcoin ETF:インベスコギャラクシービットコインETF)
・(Franklin Bitcoin ETF:フランクリン・ビットコインETF)
・(VanEck Bitcoin Trust:ヴァンエックビットコイントラスト)
・(WisdomTree’s Bitcoin Fund:ウィズダムツリービットコインファンド)
・(Grayscale Bitcoin Trust:グレースケールビットコイントラスト)
・(Grayscale Bitcoin Mini Trust:グレースケールビットコインミニトラスト)
・(Bitwise Bitcoin ETF:ビットワイズビットコインETF)
・(BlackRock’s iShares Bitcoin Trust ETF:ブラックロックiシェアーズビットコイントラストETF)
・(Valkyrie Bitcoin Fund:ヴァルキリービットコインファンド)

オプションは原証券であるビットコインETFのボラティリティ低下の可能性も

申請書には、原証券に関する基準の概要が記載されており、オプションはヘッジを可能にし、流動性を高め、原証券であるビットコインETFのボラティリティを低下させる可能性があるとしている。

規則改正はまた、規則915の下でこれらのオプションの上場と取引を許可し、ビットコインETFがすでに上場されている金や銀を保有するようなコモディティ担保のETP(※1)と同様に扱われることを保証している。

(※1)ETP(Exchange Traded Products)とは…
ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)やETN(Exchange Traded Note:上場投資証券)、ETC(Exchange Traded Commodities:コモディティ上場投資信託)などのファンドを総称する用語で、上場取引型金融商品と呼ばれる

SECは、ビットコインオプションは厳格なポジション制限と行使制限を守らなければならないことを強調。同取引所は、ビットコインファンドのオプションについて25,000枚の上限を提案しており、これはGBTCでは発行済み株式の約0.9%、BTCでは0.7%、BITBでは3.6%に相当する。さらに、NYSEとその関連会社であるNYSE Arcaは、CME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)と監視データを共有し、取引活動を監視し、スポット市場と先物市場の両方で潜在的な操作を検出する方法を概説している。

投資家にさらなる安全性提供が可能に

CMEビットコイン先物とビットコイン・スポット市場の相関性が高いため、不審な取引は容易に発見でき、投資家にさらなる安全性を提供することが可能になる。

SECはまた、承認されたポジションと行使の上限はオプション業界で最も低く、新商品は機関投資家やヘッジファンドにとって非常に保守的で安全であると指摘している。

一方で、GBTCのようなビットコインファンドの中で株式の創造と償還が行われることで、単一の事業体が市場を支配できないことを強調しており、複数の市場参加者が最大許容ポジションを保有したとしても、市場への影響は最小限にとどまると予想されている。

NYSEとCBOEの両方でビットコインETFオプションが承認されたことは、デジタル資産を伝統的な金融に統合するための新たな一歩であり、市場が発展するにつれ、SECの決定は規制された金融市場でさらなる暗号商品の提供への道を開く可能性があると期待されている。