ビットコインマイニング業者ロジウム、1億ドルの負債を理由にテキサスの裁判所破産申請

ビットコインマイニング業者ロジウムがチャプター11の自主破産を申請

ビットコインマイニング企業のロジウム・エンタープライズ(Rhodium Enterprises)は、テキサス州南部地区の米国破産裁判所にチャプター11(Chapter11、※米連邦破産法11条)の自主破産を申請し、最大1億ドル(約145億円)の負債があることを明らかにした。

この申請は2024年8月24日(土曜日)に提出され、Rhodium Encore(ロジウム・アンコール)、Jordan HPC(ジョーダンHPC)、Rhodium JV(ロジウムJV)、Rhodium 2.0(ロジウム2.0)、Rhodium 10MW(ロジウム10MW)、Rhodium 30MW(ロジウム30MW)の6つの子会社が具体的に挙げられている。裁判所の文書によると、同社の負債は5,000万ドル(約72.7億円)から1億ドルの範囲で、総資産は1億ドルから5億ドル(約724.6億円)と推定されているが、5,400万ドル(約78億円)のローンを返済できなかったとのことだ。

今回提出された破産申請は、ロジウム・グループ内の財政難に関する以前の報告に続くもので、7月、ロジウム・アンコールとロジウム2.0を所有するロジウム・エンタープライズは、5,400万ドルの融資を返済できなかったと報じられた。同社は2021年に子会社のために7,800万ドル(約113億円)の融資を調達した。2つの債務再編計画が提案されたにもかかわらず、利害関係者間の意見の不一致がデフォルトにつながった。

ロジウムは事業を継続しながら債務を再編へ

チャプター11破産申請により、ロジウムは事業を継続しながら債務を再編でき、条件を調整した新しい返済計画を策定する機会が得られる。

ロジウムは破産保護を求めた最初のビットコインマイニング企業ではなく、業界大手Core Scientific(コア・サイエンティフィック)は、仮想通貨の価格下落とエネルギーコストの上昇を理由に、2022年12月にチャプター11を申請した後、2024年初頭に破産から脱却した。同社破産の道のりは、2022年から2023年の“仮想通貨の冬”の間に仮想通貨マイニング業界が直面する、より広範な課題を反映。2021年の仮想通貨ブームのピーク時には、ビットコインの価値が6万7,000ドルを超えて急騰し、同社はコンピューティングパワーで上場ビットコインマイナーの中で最大企業であった。しかし、同社が連邦破産法11条を申請した2022年12月までにビットコインの価格が1万6,000ドル前後まで急落したことは、市場のボラティリティと仮想通貨マイナーへのプレッシャーを反映している。

競合他社からの法的挑戦にも直面

ロジウムは競合他社からの法的挑戦にも直面している。2023年、リオ・プラットフォームズはロジウム・エンタープライズに対して訴訟を起こし、リオのホインストーン・ビットコイン・マイニング施設の使用に関連する2,600万ドル(約37.6億円)以上の未払い料金の回収を求めている。

同社の財政難は、4月のビットコイン半減期イベント後のビットコインマイナーの利益の減少によって悪化しており、マイナー報酬の削減と電気料金の上昇により、マイナーの利益率はさらに圧迫されている。なお、ロジウムは、破産手続きを進めるにあたり、法律事務所Quinn Emanuel Urquhart & Sullivan(クイン・エマニュエル・アーカート・アンド・サリバン)を総合破産顧問に、プロヴィンスを再建顧問に任命している。

厳しい環境の身を置くマイニング事業者の中には、生き残るためにビットコイン以外の方法も検討している業者もあり、ビットコイン採掘をAI(人工知能)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などの他の技術と統合する傾向が高まっている。マイニング業者は、他の分野に進出することで、ビットコインの現不採算性から被っている損失の一部を相殺できる生き残り戦略となっている。

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