ブラジルが初のビットコイン準備金に関する公聴会を開催へ
ブラジルは2025年8月20日（水曜日）、議員や専門家も出席する戦略的ビットコイン準備金の創設について議論するための公聴会を開催する予定だ。
ブラジルは8月20日、ブラジルのデジタル資産準備金戦略における重要な転換点となる可能性がある戦略的ビットコイン準備金法案に関する公聴会を開催し、ブラジルの国家準備金へのビットコインの組み入れについて議論。この公聴会では、法案4501/2024を通じてブラジルが国家ビットコイン準備金を設立する可能性について検討されるという。
現地メディアの報道によると、戦略ビットコイン準備金法案は2024年11月にエロス・ビオンディーニ（Eros Biondini）下院議員によって提出され、その後、経済開発委員会に審議のため移管されている。ルイス・フィリップ・デ・オルレアン・エ・ブラガンサ（Luiz Philippe de Orleans e Bragança）下院議員は6月下旬に公聴会の開催を要請し、ブラジルの下院で開催される付属書IIの全体会議5で開催されることが確定した。これは、ブラジルがビットコインを含む政府準備金の多様化を図るべきかどうかをめぐる初の正式な議論となる。
ブラジルのフィンテック企業Méliuz（メリウズ）のビットコイン戦略責任者であるディエゴ・コリング（Diego Kolling）氏と、ブラジル銀行連盟FEBRABANのルーベンス・サルデンベルグ（Rubens Sardenberg）氏が公聴会への参加を表明。経済開発委員会は、ブラジル中央銀行、財務省、開発・商工・サービス省の代表者を含む他の招待者からの確認を待っている。
この公聴会の結果次第で、法案が議会に提出される前に議会の承認を得られるかどうかが決まる可能性があり、可決された場合、法律として発効するには大統領の承認が必要になる。そのため、議員らはこれをブラジルの金融準備制度を近代化する歴史的なチャンスと捉えている。
具体的な提案内容
2024年11月にビオンディーニ下院議員によって提出されたこの法案は、RESBit（ソブリン戦略ビットコイン準備金）の設立を提案しており、同国政府がビットコインを公式の対外資産ポートフォリオの一部として段階的に取得することを可能にするものとなっている。
この法案に基づき、中央銀行と財務省は保管、リスク管理、報告を監督。RESBitの保有量はブラジルの外貨準備高の5%を上限とし、国際基準に準拠した「コールドウォレット」インフラを使用して保管される。
この提案は、準備金の多様化に加えて、ビットコインをマクロ経済の盾、そして国内におけるブロックチェーン導入を加速するための基盤として位置付けている。この法案は、スタートアップへのインセンティブや官民連携など、仮想通貨と分散型台帳に関する教育をブラジルの学術・イノベーション・エコシステムに統合するための施策も概説している。
なお、この準備金は、ブラジル中央銀行のデジタル通貨「Drex」の裏付けとしても機能する可能性がある。
