テザーが12のETHアドレスで520万USDTを凍結

テザ社が520万USDTを凍結

時価総額で世界最大のステーブルコインに関連する企業であるTether(テザー)社は、仮想通貨追跡およびコンプライアンス・プラットフォームであるMistTrack(ミストトラック)のデータによると、2024年5月14日(火曜日)、520万USDTを凍結したことが明らかになった。

日本語訳:
ミストトラックアラート
たった今、Tether12のアドレスで約520万USDTを凍結しました。これらのアドレスはMistTrackによって「USDT 禁止アドレス」としてタグ付けされたアドレスに関連付けられています。

Xへの投稿でMistTrackは、仮想通貨追跡プラットフォームによって「USDT禁止アドレス」としてタグ付けされた12のイーサリアム(Ethereum)アドレス上の520万USDTをTetherが凍結したと述べた。注目すべきは、これら12のアドレスがフィッシンググループのマネーロンダリング(資金洗浄)アドレスの可能性があることだ。

攻撃者が資金を別のプラットフォームに引き出し、仮想通貨ミキサーを使用して資金洗浄を行うのは一般的な手口となっている。というのも、2022年1月、Tetherは1億5,000万ドル(約234.6億円)以上のUSDTを保有する3つのイーサリアムアドレスをブラックリストに追加。2022年10月に同社は、イーサリアム上の820万ドル(約12.8億円)のUSDTを凍結し、215のイーサリアムベースのUSDTアドレスをブラックリストに追加している。

さらに2022年後半、Tetherは3億6,000万ドル(約563億円)以上の資産を凍結。2023年10月には、ウクライナとイスラエルでのテロ活動に関連するUSDTの817,000ドル(約1.2億円)を凍結した1カ月後には、ロマンス詐欺師に関連する2億2,500万ドル(約351.9億円)のUSDTを凍結。遡ること2023年11月にも、同社はデジタル資産取引プラットフォームOKXと提携しながら、史上最大のUSDTの凍結を発表。37のウォレットに関連する2億2,500万以上のUSDTトークンが凍結され、その資金は13日に人身売買グループに結び付けられた。

Tetherは詐欺師やハッカー関連アドレスを積極的に凍結

Tetherは、2023年12月にOFAC(米国財務省外国資産管理局)のSDN(特別指定国民)リストに掲載された人々が管理する41のウォレットも凍結しており、仮想通貨会社が詐欺師やハッカーに関連するアドレスを積極的に凍結していることは重要である。

報告によると、Binance(バイナンス)とHuobi(フォビ)は2022年6月に北朝鮮サイバー軍Lazarus(ラザルス) GroupのHarmony Bridge強盗に関連する140万ドル(約2億円)相当の仮想通貨を凍結している。

一方で、TetherはOFACのSDNリストの制裁対象者に関連する活動を凍結するためのセカンダリーマーケットコントロールを提供しており、制裁国によって支配または所有されている企業や個人はリストに含まれている。

分散型台帳技術の使用により、仮想通貨企業はオンチェーンで資金を監視でき、ステーブルコインの中央集権的な性質により、その発行者は法執行機関の要請に応じて違法行為に関連する資産を凍結できるようになっている。しかし、今回凍結されたアドレスと、どのフィッシング詐欺に関連しているのかについて、Tetherは公式の発表などは行っていない。