ナイジェリア裁判所はバイナンスに対する裁判を2度目の延期へ
ナイジェリアの裁判所は、バイナンスとその幹部数名に対する脱税訴訟の審理を2024年5月17日(金曜日)に再延期したことが明らかになった。
この延期は、ナイジェリア政府のさまざまな機関と、マルタに拠点を置く仮想通貨取引所との間で進行中の規制に関する最新の動きである。
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ことの発端は、3月22日にFIRS(ナイジェリア連邦内国歳入庁)が、同社幹部のアフリカ地域責任者のナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)と金融犯罪コンプライアンスの責任者ティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏の2名に対し、4件の脱税容疑で起訴したことに始まる。これら計4件の容疑には、付加価値税不払い、会社所得税不払い、納税申告不履行、プラットフォームを通じて顧客の脱税をほう助した共犯などが含まれ、FIRSは、バイナンスがナイジェリア人にサービスを提供する前に最初に登録プロセスを受けなかったことから発生したと考えている。
現地メディアの報道によると、この事件は4月19日に審理が行われ、アンジャルワラ氏が西アフリカの国から逃亡しているため、ガンバリアン氏のみが出廷しており、ガンバリアン氏は、FIRSがバイナンスに脱税容疑の申し立てをしなかったため、申し立てを拒否。しかし検察側は、米国籍のガンバリアン氏は、提示された容疑に対して、自身と仮想通貨取引所の利益を守るべきだと主張。同氏の弁護人は、すべての当事者が共同で起訴されたため、主被告であるバイナンスは、ナイジェリアの憲法に従い、依頼人が弁明する前にIRSから送達を受けなければならないと述べている。
法的な行き詰まりによる裁判の延期
法的な行き詰まりを受け、アブジャ連邦高等裁判所のエメカ・ヌウィテ(Emeka Nwite)判事は、この裁判を5月17日に延期し、そこで明確な判決を下すことを決定したとのこと。
バイナンスに対するFIRSの脱税訴訟は、ナイジェリアの税務当局が規定の裁判に先立ちガンバリアン氏に送達しなかったため、4月19日に延期されたのに続き、今回が2度目の延期となる。実際、バイナンスは現在、ナイジェリア政府との敵対的な規制状況に陥っており、脱税容疑もさることながら、EFCC(ナイジェリア経済金融犯罪委員会)はバイナンスに対して3,500万ドル(約54億円)以上の資金洗浄で告発している。
ナイジェリア政府はナイラの大幅な切り下げに大きな役割と非難
ナイジェリア政府は、バイナンスが投機やレート操作を通じてナイジェリア・ナイラの大幅な切り下げに大きな役割を果たしたと非難した後、バイナンスに対する規制当局の監視を強化。
これらの疑惑は、政府がバイナンスや他の仮想通貨取引所への特定のアクセスを禁止したと報告の後、2月26日に西アフリカの国を訪問していた両氏の逮捕につながった。また、バイナンスはプラットフォーム上のすべてのナイラ・サービスを無効にし、取引所のリチャード・テン(Richard Teng)CEO最高経営責任者)がナイジェリア政府と協力する意思を確認した後、従業員の拘束に関するすべての法的問題の解決に尽力している。