逃亡中のバイナンス幹部をケニアに追跡=身柄引き渡し手続き中

逃亡中のバイナンス幹部をケニアに追跡か

ナイジェリア政府によるバイナンス(Binance)のアフリカ地域責任者ナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)氏の捜索はケニアで終了する可能性が浮上している。

バイナンスとナイジェリア政府の間の緊張は急速に高まり、同社幹部のアフリカ地域責任者のアンジャルワラ氏と金融犯罪コンプライアンスの責任者ティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏が、脱税およびマネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で拘束、起訴された。当局からの要請に乗り、ナイジェリアで6週間拘留されたガンバリアン氏にとって事態は現在も悪化の一途をたどる一方だ。もう一人の幹部であるアンジャルワラ氏は、ナイジェリア政府が同氏に捜査の手が追いつくまで逃走を続けた。

ナイジェリア政府は逃亡したバイナンス幹部を逮捕

ナイジェリア政府によるアンジャルワラ氏の捜索は終わりに近づいており、現地メディアは、ナイジェリア大統領府関係者によると、3月22日に国外に逃亡したバイナンス幹部の行方がケニアに追跡されたと報じている。

ナイジェリア政府は、アンジャルワラ氏に対する告発に向けてナイジェリアへの引き渡しを確保するため、インターポールおよびケニア当局と連携した取り組みを進めている。これらの容疑は主に、ナイジェリアの法定通貨ナイラを操作し、バイナンスを通じた違法資金の流れを促進したという容疑に端を発している。アンジャルワラ氏はアブジャから中東の航空会社に乗り、ナイジェリアから脱出したと伝えられている。

バイナンス幹部が英国パスポートをナイジェリア当局に保管されたままどのように国際線に乗ったのかは不明ではあるものの、入国管理当局は回避策を見つけたと主張している。入国管理報告書によると、アンジャルワラ氏はケニアのパスポートを使用してナイジェリアから逃亡したことが示唆されており、当局は他の渡航書類なしでどうやってパスポートを入手したのか調査を進めている。現在もアンジャルワラ氏は依然として逃走中だが、同氏の同僚でバイナンス幹部のガンバリヤン氏は引き続きナイジェリアで拘留され、法的手続きを待っている。

ガンバリアン氏の親族は6週間交流後の釈放を要求

ガンバリアン氏は無罪を主張しており、親族らが6週間の拘留後の釈放を要求している。

同氏の妻は、同氏を米国に連れ戻すよう請願活動を開始しており、署名も集まっているとみられ、4月3日にはガンバリアン氏の無罪を求める控訴の中で、バイナンスは同氏が「社内で意思決定の権限を有していない」と主張している。

現在ガンバリアン氏の訴訟は、FIRS(連邦内国歳入庁)の要請により4月19日まで延期されている。ナイジェリアの税務当局は、2024年2月末以降、同国の不正行為防止機関であるEFCC(経済金融犯罪委員会)に拘留されているバイナンス幹部と連絡が取れず、サービスを提供できないと主張した。なお、アンジャルワラ氏の逃亡は、バイナンスに対する訴訟をエスカレートかつ複雑化させ、疑惑を煽り、釈放に向けた交渉をさらに悪化させる可能性があると危惧されている。

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