ナイジェリア当局はテロ資金供与疑惑でバイナンスのCEOを召喚

ナイジェリア当局がテロ資金供与疑惑でバイナンスのCEOを召喚

ナイジェリア当局は、バイナンス(Binance)のリチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)をテロ資金調達とマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで召喚しようとしていることが明らかになった。

ナイジェリアの下院金融犯罪委員会は、バイナンスの現CEOに対し、2024年3月4日(月曜日)までに同委員会に出頭するよう7日間の最後通告を出したと、現地メディアが報じた。規制当局による召喚は、2023年に同取引所のナイジェリア部門を通じて不審な資金が流れたという最近の疑惑を受けたものであり、ナイジェリア中央銀行のオラエミ・カルドソ(Olayemi Cardoso)総裁は、2023年にバイナンスを経由して、正体不明の資金源や利用者から260億ドル(約3.8兆円)がナイジェリアを通過したと強調した。

また、金融犯罪委員会のジンジャー・オンウシベ(Ginger Onwusibe)委員長は、同CEOが出廷を拒否した場合、同委員会は憲法上の権限を行使すると警告。再三の招待にもかかわらず、同CEOはナイジェリア政府のビジネスおよび金融法の遵守に関する懸念に応じようとしておらず、オンウシベ委員長は、ナイジェリア国民と国の財政を守るという憲法上の使命を挙げ、金融犯罪との闘いに対する委員会のコミットメントを強調したうえで、次のように述べている。

バイナンスに対するテロ資金供与、マネーロンダリング、脱税などの疑惑は十分に不利なものです。この重要な時期に、テロ資金調達へのリークと経路を遮断するために、すべての税金が必要なのです。


罰金100億ドルも視野に厳しい姿勢を見せるナイジェリア政府

オンウシベ氏は、バイナンスに対し、納税や市民からの苦情に対応するための物理的な事務所の設置などの義務を果たすよう要求している。

実際、規制当局は、バイナンスの役員を逮捕し、脱税を含む金融犯罪との関係に関連するこれらの質問に答えるために当委員会に連行するよう、召喚状および令状を発行することにより、憲法上の権限を行使するよう下院に勧告することを決議。オンウシベ氏は次のように語っている。

われわれは、6年以上前からこの国で起こっているこれらの痛ましい金融犯罪を発掘してくれた請願者に感謝する。バイナンスは6年以上前からこの国の金融スペースで営業しており、2,000万人を下らないナイジェリア人を搾取している。

ナイジェリア国外では、バイナンスは米国でマネーロンダリング容疑による43億ドル(約6,400億円)の罰金に直面。ナイジェリア大統領補佐官は、ナイジェリア政府がバイナンスから100億ドル(約1.5兆円)を超える罰金を科すことを視野に入れている事を示唆している。