ステーブルコイン発行会社が利益を確保=テザーが2,500万ドルのOobit投資で躍進

テザーが2,500万ドルのOobit投資で躍進

時価総額で世界最大の仮想通貨会社であるテザー(Tether)は、仮想通貨決済の簡素化に注力する企業であるOobit(オービット)のシリーズA資金調達ラウンドで2,500万ドル(約37億円)を主導した事が分かった。

この投資は、仮想通貨を日常の取引に統合するための極めて重要な一歩となり、仮想通貨保有者が世界中の1億以上の小売店でデジタル資産を使用できるようになることが期待されている。今資金調達ラウンドには、CMCC GlobalのTitan Fund、468 Capital、Solana (SOL)の共同創設者であるアナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)氏などの著名な投資家からも寄付があった事が分かっている。

オービットの旅とテザーの戦略的ビジョン

革新的モバイル決済アプリで広く知られるOobitは、仮想通貨と従来の商取引との間のギャップを埋める最前線に立っきた。

このアプリを使用すると、ユーザーはVisa(ビザ)およびMastercard(マスターカード)を受け入れる小売店で、仮想通貨を使用して「Tap and Pay(タップ・アンド・ペイ)」ができる。この機能によって仮想通貨の使いやすさが大幅に広がり、仮想通貨が日常の取引でより実行可能な選択肢になる。

なお、この資金調達ラウンドの前にOobitは、2020年12月のシードラウンドで300万ドル(約4.5億円)を調達しており、調達資金の総額は2,800万ドル(約41.6億円)となった。

仮想通貨エコシステムに参加させるためのテザー社による取り組み

テザー社のOobitへの投資は、世界規模で仮想通貨の普及を促進するというテザー社の取り組みを強調している。

同社のパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は、この投資が新しいユーザーを仮想通貨エコシステムに参加させるための同社の戦略の基礎であると強調。時価総額が960億ドル(約14.3兆円)を超える同社は最近、2023年第4四半期の純利益が28億5,000万ドル(約4236.5億円)という記録的な数字を報告。同社の堅固な財務健全性と仮想通貨業界のビジョンに沿ったベンチャー投資能力を示している。同社は、その中核事業に加えて、技術革新への広範な取り組みを反映して、ビットコイン(Bitcoin)マイニング、AI(人工知能)インフラストラクチャー、P2P通信への投資を多角化している。

仮想通貨決済のアクセシビリティー向上

Oobitプラットフォームは、仮想通貨支払いの柔軟性をさらに高めるための大幅なアップデートを予定している。

今後の機能は、顧客が好みの仮想通貨を使用して支払いをしている間に、販売者が法定通貨を即座に受け取れるようにすることを目的としているとのこと。このシームレスな変換により、加盟店のボラティリティーリスクが軽減され、仮想通貨決済を導入する際の大きなハードルの1つが解決されることが期待され、その結果、この機能によって世界中の何百万もの小売業者で標準的な支払い方法として仮想通貨が広く受け入れられるようになる可能性がある。

さらに、Apple App Store、Google Playで入手できるOobitアプリは、ネイティブ仮想通貨ウォレットを介したテザー、ビットコイン、その他のデジタル資産による支払いをサポート。この統合により、ユーザーが仮想通貨を簡単に管理して使用できる、より包括的なエコシステムが促進され、デジタル金融と従来の金融が融合する世界のビジョンが強化されるとのことだ。