ジンバブエ中央銀行がデジタルトークンの発行へ
ジンバブエの中央銀行にあたるRBZ(Reserve Bank of Zimbabwe:ジンバブエ準備銀行)は、5月8日(月曜日)に金を裏付けとしたデジタルトークンの発行を開始すると発表した。
開始の第一段階では、180日の権利確定期間を持つ投資目的でデジタルトークンが発行される予定で、RBZは、金担保デジタルトークンが支払い手段と価値の保存の両方として使用されるとのこと。金で裏打ちされたトークンは、価値保存のための追加的な商品となるという。このデジタル通貨は、RBZが保有する金を裏付けとし、2022年7月に流通開始した現物金貨を補完するものと期待されている。
米ドル需要の抑制
デジタル通貨の発行日の発表は、RBZのジョン・マングディア(John Mangudya)総裁が、RBZが金を裏付けとしたデジタル通貨で自国通貨安に対抗する意図を明らかにしたことを引用した数日後である。
RBZは、まもなく開始されるデジタル通貨によって、米ドルに対する現地の需要を抑制することを望んでいるものの、4月28日(金曜日)に発表された声明の中でRBZ総裁は、金を担保にしたデジタルトークンの発行について、次のように語っている。
経済で利用できる価値保存手段を拡大することを意図している。また、金担保トークンは投資商品の可分性を高め、一般市民によるアクセスと利用を広げることを意図しています。
ジンバブエのデジタルトークン発行は2フェースに分けられる
声明によると、デジタル通貨の発行は2フェーズに分けられる予定であり、第一段階では、デジタルトークンは投資目的で発行される。
権利確定期間は180日とされており、RBZによると、金に裏打ちされたトークンは、現物の金貨が償還されるのと同じ方法で償還されるとのこと。そのため、購入希望者は、自国通貨または外国通貨を使用してデジタルトークンを取得できるという。また、RBZは、現在、モシ・オア・トゥンヤ金貨(※1)を保有している人は、現地の銀行システムを利用してデジタルコインを取得できることを示唆。
ジンバブエ政府により、インフレ抑制と米ドル依存の緩和を目的に購入され、現地で流通しているシリアルナンバー入りの22K金貨の事。
第2段階では、ウォレットやカードでデジタルトークンを保有する住民は、その資金で取引を決済でき、RBZは声明の中で、次のように語っている。
e-goldウォレットやe-goldカードに保管されている金の裏付けのあるデジタルトークンは、取引可能で、P2P(個人対個人)およびP2B(個人対企業)取引や決済を促進できるようになる。したがって、金で裏打ちされたデジタルトークンは、支払手段と価値の保存の両方として使用されることを意味します。
今年、ジンバブエの自国通貨は米ドルに対して35%下落し、米ドルが優先的に取引される通貨となっており、中央銀行は、2022年にマイナーにロイヤルティの一部を現金と金属で支払うよう強制する政策を導入して以降、RBZこの資金によって、最新の計画を支援しようとしている。というのも、世界の中央銀行の80%以上がデジタル通貨の発行を検討しているか、すでに発行している。