FCAが英国で未登録仮想通貨ATM運営を理由に初めて個人を告訴
英国のFCA(Financial Conduct Authority:金融行為規制機構)は、国内で未登録の仮想通貨ATM運営者を告訴した事がわかった。
英国の最高金融規制機関であるFCAは2024年9月10日(火曜日)、未登録の仮想通貨ATMを運営したとしてオルミデ・オスンコヤ(Olumide Osunkoya)被告を起訴した事を発表。この事件は、英国法の下でこのような行為が起訴される初のケースだ。FCAによって告訴された同被告は、2021年12月29日から2023年9月8日の間に、複数の場所で未登録のATMを運営し、必要な登録せずに260万ポンド(約4.8億円)の取引を処理した仮想通貨ATMネットワークを運営。マネーロンダリング(資金洗浄)防止規制に違反したとして告訴されており、この告訴には偽造と犯罪財産の所持も含まれており、FCAは次のように述べた。
この起訴は、マネーロンダリング、テロ資金供与、資金移転(支払人情報)規制2017(MLR)に基づく未登録の仮想通貨活動に関するFCA初の刑事訴追となる。
今回の措置は、英国全土の違法な仮想通貨ATMを阻止するためのFCAと法執行機関の共同の取り組みに続くもので、FCAは「英国には合法的な仮想通貨ATM運営者はいない」と断言しており、FCAの執行担当共同エグゼクティブディレクター、テレーズ・チェンバース(Therese Chambers)氏は次のように述べている。
違法に仮想通貨ATMを運営しているなら、われわれは阻止する。
同被告は、2024年9月30日にウェストミンスター治安判事裁判所に出廷する予定だ。FCA はまた、仮想通貨は英国で依然としてほとんど規制されていない高リスク市場であり、消費者は投資した資金をすべて失う覚悟をするよう勧告されていると警告している。
FCAによるその他の動向
FCAによるその他の動向としては、決済システム規制当局とFCAが2024年7月に共同で呼びかけを開始し、大手テクノロジー企業とデジタルウォレットの使用に関する追加情報を収集した。
両規制当局によると、現在、英国の成人の50%以上が1種類のデジタルウォレットを使用しており、Apple Pay、Google Pay、PayPal が最も人気がある。そのため、規制当局は、デジタルウォレットやテクノロジープロバイダー、サービスユーザーなど、決済サービス全体の利害関係者から、デジタルウォレットの使用に関連する利点とリスクをさらに理解することを目指している。