ロマンス詐欺師急増で何百万もの仮想通貨が奪われている

仮想通貨を利用したロマンス詐欺が急増

FTC(Federal Trade Commission=連邦取引委員会)は、仮想通貨が詐欺師にとって最も人気のある支払い形態になり、2021年以来10億ドル以上が仮想通貨詐欺で失われたと警告しており、最新報告で、ロマンス詐欺(※1)が急増している事を明らかにしたことが分かった。

(※1)ロマンス詐欺とは…
インターネット交流サイトなどで知り合った海外の相手を言葉巧みに騙し、恋人や婚約者(結婚相手)になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種

FTC「Top frauds by reported cryptocurrency losses January2021-March2022」より画像引用

FTCからの最新報告によると、米国人は2021年以降、10億ドル(約1,306億円)を超える仮想通貨が詐欺師によって奪われている。

それだけではなく、最近ロマンス詐欺が急増しており、1億8,500万ドル(約241億円)が失われた事が分かった。さらに、すべての損失の半分以上の5億7,500万ドル(約51億円)が偽仮想通貨投資によって奪われているとのこと。

報告書によると、仮想通貨は詐欺師の人気手段になりつつあり、2022年の第1四半期ですでに3億2,900万ドル(約430億円)の仮想通貨が詐欺で失われている。これは、2021年全体の金額のほぼ半分で、他のどの支払い方法よりも多く、ロマンス詐欺で失われたお金の約30%は仮想通貨に交換されていたとのこと。

FTCによる大まかな被害内容と警告

仮想通貨を利用した詐欺師の最も一般的なポイントの1つがソーシャルメディアを介したもので、46,000人を超える犠牲者のほぼ半数が、詐欺はソーシャルメディアプラットフォーム上の広告、投稿、またはメッセージから始まった事が分かっている。

InstagramとFacebookは、それぞれ32%と26%がソーシャルメディア経由で詐欺被害にあったと報告されている。このほか、WhatsAppが9%で、Telegramが7%となっている。詐欺に遭った個人の損失の中央値は約2,600ドル(約34万円)で、最も一般的に盗まれた仮想通貨はイーサリアム(Ethereum/ETH)、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、テザー(Tether/USDT)である。

FTCは、仮想通貨がお金を盗むための最も効果的な方法の1つである理由を次のように説明している。

疑わしい取引にフラグを立て、詐欺が発生する前に阻止しようとする銀行やその他の中央機関はありません。仮想通貨の転送を元に戻すことはできません。お金がなくなると、元に戻すことはできません。そして、ほとんどの人はまだ仮想通貨の仕組みに慣れていません。

比較的若いグループが仮想通貨詐欺に陥っている、とFTCは述べており、20歳~49歳の個人は、仮想通貨詐欺でお金を失う可能性が高齢者の3倍であり、詐欺の35%は30代であったと報告している。このような詐欺を回避するために、FTCは3つの主要な危険信号に注意するよう警告している。

「問題を解決する」または「お金を保護する」ために仮想通貨を購入することを要求する会社または個人、またはあなたが投資するのを助けるために提供する新しいロマンチックなパートナー。「新しい愛の関心が仮想通貨に投資する方法を示したい場合、または仮想通貨を送信するように依頼した場合、それは詐欺です。