ドイツのメガバンクコメルツ銀行がBaFinライセンスを申請
ドイツに拠点を置くコメルツ銀行(Commerzbank)が、国内初の仮想通貨カストディ銀行になるために、BaFin(Bundesanstalt für Finanzdienstleistungsaufsicht=ドイツ連邦金融監督庁)ライセンスを申請すると発表したことが現地メディアの報道で明らかになった。
コメルツ銀行は最近、BaFinとして知られる連邦金融監督庁に、仮想通貨カストディサービスを提供するため、仮想通貨カストディ(仮想通貨保管業務)ライセンスを申請したとのことだ。ドイツの規制当局から承認を得ることで同行は、仮想通貨に関連する投資商品の商業サービスを顧客に提供することが可能になるとのこと。というのもドイツ国内の機関には、仮想通貨取引の提供にBaFinの承認が義務付けられており、違反した場合は、管理責任者が5年以下の懲役に処せられるなど、厳しい法的措置がとられている。
コメルツ銀行は、1,800万人以上の顧客と7万人以上の機関投資家にサービスを提供していることで知られており、仮想通貨カスとディに参加することで、より多くの投資家を仮想通貨市場に引き込むと期待されている。同行の担当者によると、同行は非物理的資産の保管と取引に関して、新興のデジタル・エコシステムの形成を支援することを目的としており、同行上級広報担当者であるバーンド・レー(Bernd Reh)氏は次のように述べている。
われわれは独自デジタル資産戦略を実行しており、今後数年間で顧客向けの独自仮想通貨取引提供を計画しています。
顧客向けの独自サービスを計画
コメルツ銀行は2021年春にドイツ取引所およびFin-Tech 360xと協力関係を結ぶなど、独自のデジタル資産戦略を進めており、今後数年間、顧客向けに独自のサービスを計画している。
現在、コメルツ銀行は仮想通貨カストディBaFinライセンスの許可を待っている段階であるが、コメルツ銀行を含む24の金融機関が、仮想通貨カストディー・ライセンスの発行を待っている状態だ。しかし、現在BaFinのライセンス承認を得ているのは、わずか4社のみであり、Coinbaseドイツが2021年6月に規制当局から初の承認を得ている一方で、米国の大手銀行ゴールドマン・サックスとスイスのクレディ・スイスなどが、顧客向けの仮想通貨に関する特別なサービスを導入する、具体的な計画を明らかにしている。
実際、世界の銀行業界の多くの関係者が、仮想通貨取引需要の高まりを受けて、仮想通貨カストディの参入に関心を示し始めており、今後ますます多くの金融機関がBaFinのライセンスを申請すると予想されている。