ドイツ当局は麻薬ギャングから押収されたビットコインオークションを開催

ドイツの州法務省が押収仮想通貨をオークションに

経済専門メディア大手のBloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、ドイツのノルトラインヴェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州法務省は2021年10月25日(月曜日)、押収された仮想通貨の国内初のオークションを開始し、2日間のセールで200BTC以上を売り上げたことが明らかになった。

ドイツ当局は、国の司法制度で唯一の中央オンラインオークションポータルを運営しており、さまざまな押収品を定期的に最高入札者に販売している。ドイツ当局は、現在の価値が1,270万ドル(約15億円)を超える、ビットコイン(Bitcoin/BTC)合計215BTCを販売し、オークションで得られた収益はすべて州に寄付される予定だ。今回のオークションの開催にあたって、法務省のオークションプラットフォームには申込者が殺到し、新規登録者は4,000人を超え流ほどの盛り上がりを見せている。

オークションの入札開始価格は市場価格の80%から95%とやや割安に設定されており、多くの仮想通貨投資家が落札に興味を示している。さらに、現地メディアLegal Tribune Onlineによると、ドイツ当局はビットコインの他にもイーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、リップル(Ripple/XRP)、モネロ(Monero/XMR)などの仮想通貨を保有しているという。

米国でも同様のオークションが開催される

今回分かったオークションの入札は10月27日(水曜日)に終了する予定であり、同省はビットコインの市場価値を54,000ユーロ(62,700米ドル)と見積もっている。

また、ドイツ西部のノルトラインヴェストファーレン州の検察官によると、今回オークションにかけられたビットコインは主に、ダークネットを介して行われる麻薬密売に利用されていたとのこと。さらに、GSA(General Services Administration=米国共通役務庁)も25日に、4.94BTCをオークションで販売しており、3,550万円相当のビットコインが落札される予定だ。

GSAは連邦政府の調達機関であり、連邦政府所有の設備、車両、科学機器、オフィス家具、収集品や押収品などさまざまなアイテムがオークションにかけられており、2021年3月に初めて仮想通貨のオークションが開催された最近では、ルーマニアの法執行機関も同様に、押収したビットコインをオークションにかけることを発表しており、今後も同様に多くの政府が押収した仮想通貨のオークションを行うと予想されている。仮想通貨はその匿名性により、商業銀行や規制当局からの監視を受けずに取り引きができるため、ダークネットで犯罪に利用される可能性が高いのが現状だ。